中学生のランサムウエア作成容疑とIT人材白書2017

不正アクセス年代別推移(データ元:警察庁「不正アクセス行為の発生状況」)/ Tetsu=TaLow

ランサムウェア(身代金ウイルス)を自作したとして、中学3年の男子生徒(14)を不正指令電磁的記録作成・保管の疑いで逮捕。ランサムウェアの作成容疑での立件は全国初。任意の捜査に生徒は「力試しに作ってみたらできた」と話しています。

このニュースに対して、新聞、テレビなどのマスメディアの報道やセキュリティ専門会社の解説では、「ランサムウェア」と「中学生」「ITモラル」を主題に、セキュリティやモラル教育の重要性を指摘することに止まっています。

プログラマーの皆さんは、自作したとされるプログラムの犯罪成立要件を分析、さらに14歳の男子生徒の能力や、その活かし方まで踏み込んで議論しています。
同じ能力でも、悪意のクラッカーとハッカー、犯罪者と優れた捜査官、金融や証券犯罪者と証券取引監視委員会(SEC)などなど、多くの映画の題材にもなっていますが、悪意ではない「優れた能力」や「探究心や努力」は抑制するのではなく、公共的利益のために活かすべきだと思います。

安倍首相はテスラのイーロン・マスクCEOに惚れ込んでいますが、マスク氏は10歳のときにコンピュータを買い、プログラミングを独学しています。Googleのラリー・ペイジ氏は6歳の頃からコンピュータを触り始めています。Appleの共同創業者故スティーブ・ジョブズ氏は、13歳の時にHPの社長宅に周波数カウンターの部品をもらいに押しかけ、HPでアルバイトをしています。

好奇心が旺盛で多感な中学時代、その後の人生を左右する「才能」や「優れた能力」を密かに発揮する機会が多いと思います。社会が「多様性」や「寛容さ」を失っては、日本にシリコンバレーができることはないでしょう。終戦直後は貧しくても「社会の寛容さ」に溢れていたように思いますが・・・。

国民の「ITスキル」が高い国は、世界競争力も生産性も高くなり、社会保障費も抑制できます。
下図は日本、米国、カナダ、イギリス、ドイツ、フランスのIT企業とそれ以外の企業に所属する情報処理・通信に携わる人材の割合を比較したものです。日本はIT企業に所属する情報処理・通信に携わる人材の割合が72%と突出して高くなっています。一方、日本以外の国は、IT企業以外の割合が5割を超えており、米国が65.4%と最も高くなっています。

Google、機械学習に最適化した「Cloud TPU」を発表

Cloud TPU / Google

Googleは、年次開発者会議「Google I/O 2017」で、機械学習に最適化した第2世代の TensorFlow Processing Unit(TPU)と、それを用いたクラウドサービス「Cloud TPU」を発表しました。
サンダー・ピチャイ(Sundar Pichai)CEOは、「機械学習やAIの進化は、コンピュータアーキテクチャの見直しを迫っており、そのためにAIファーストデータセンターを構築している」、また「カスタムハードウェアのTPUは、CPUや GPUよりも15倍から30倍高速で、30倍から80倍も電力効率が高い」と述べています。

写真は1台の「Cloud TPU」ボードで、ここに4つのチップが搭載され、ボード1つあたり180テラフロップス(1秒間に180兆回の演算)の能力を備えています。データセンター内では、これを64台まとめた「TPU Pods」を構成し、このポッドあたり 11.5 ペタフロップス(1秒間に1.15京回の演算)の能力があると述べています。

A “TPU pod” built with 64 second-generation TPUs delivers up to 11.5 petaflops of machine learning acceleration.

理化学研究所のスーパーコンピュータ「京」は、1秒間に1京回の演算ができることから「京」と名付けられています。

Googleの Jeaf Dean氏によれば、「TPU Pods」の能力の8分の1を使って機械翻訳モデルの学習を処理したところ、「現在販売されている最速の GPUを32個使った場合に丸1日かかった処理が、TPUポッドでは同じ翻訳精度を保ったまま午後には処理が終了するようになった」と説明しています。

Google、モバイルから AI ファーストの世界へ(Sundar Pichai)