ノーマン・ロックウェルのThe Problem We All Live With(みんなの問題)

ノーマン・ロックウェル(Norman Rockwell、1894年2月 – 1978年11月)さんは、米国の画家、イラストレータです。庶民の哀歓を巧みに描き、米国で幅広い大衆的人気を持っています。1916年から1963年まで The Saturday Evening Postの表紙を飾り、生涯に2,000を超える作品を描いています。

The Problem We All Live With / Norman Rockwell(Wikipedia)

最も米国的な画家の一人としてユーモラスな作品が多い一方で、後期(1964年)の代表作 The Problem We All Live With(みんなの問題)では、Nigger(黒人の差別語)や KKK(白人至上主義)と落書きがあり、血を連想させるトマトが投げつけられた壁の前を、連邦保安官に守られながら最初に白人の学校に通学する 6歳のルビィ・ブリッジス(Ruby Bridges)さんの姿を描いており、痛烈に黒人差別を批判した一枚です。

ノーマン・ロックウェルさんは、リアリティを追求して民衆のさまざまな物語を鮮やかに描いています。一枚の絵画にドラマを感じさせる構図と構成力、表現力は多くのファンに愛されています。YouTubeはジョージ・ルーカスとスティーブン・スピルバーグが、ロックウェルさんの作品の魅力を解説しています。

2011年7月にホワイトハウスの大統領執務室の隣室にこの絵が掲げられました。その時の動画です。

グローバル時代の「文化の盗用」を考える。

一流モデルさん(モデルだけで年収5億円超)でありながら IT起業家を目指しているカーリー・クロスさんが、ファッション誌ヴォーグ(Vogue)3月号の特集で、日本の伊勢志摩で撮影してきた和風で芸術的な写真を公開したところ、いろんな意味で話題に…。なぜかもっぱら日本人以外の民族や人種の方々から、この写真は「日本人に対する差別だ、馬鹿にしてる、黒髪のカツラとかかぶせるくらいなら日本人のモデルを使えばいい」等々の厳しい批判や苦情が噴出。「実は、米国では、ちょっとした社会問題的なニュースになってたんですよ」と、ニューヨーク在住のりばてぃ♪さんが記事にしています。

Karlie Kloss in Elie Saab(2012)/ Wikipedia

「文化の盗用:Cultural appropriation」とは、文化的、宗教的な意味合いがある伝統をその意味を理解せず、勝手にトレンドとして使用を煽るような行動とされています。(CELESY, 2016年06月1日

「文化の盗用」に関する騒動は、ファッション界に限らずハリウッドや芸術分野でも、謝罪やイベント中止などに発展して先鋭化してきました。日本では文化的アイデンティティが希薄であり、「文化の盗用」という概念に敏感ではありませんでした。しかし、日本には昔からアイヌ民族琉球王国など、マイノリティ文化が存在しました。

これからの日本では、ますます移民の人達や外国人の観光客も増えてきます。文化の多様性や異文化について、教育やメディアを含めて考える時期だと思います。

Madame Monet in a Japanese kimono, 1875, Museum of Fine Arts, Boston