つながっていても孤独?(TED: Sherry Turkle)

Sherry Turkle: Connected, but alone?

シェリー・タークル(Sherry Turkle)さんは、1948年ニューヨークに生まれ、ハーバード大学を卒業。臨床心理学者で、マサチューセッツ工科大学(MIT)科学技術社会論の教授です。

シェリー・タークル教授の最新著作(2017年2月)に「一緒にいてもスマホ ―SNSとFTF―」があります。
急激に広まったスマートフォンは、いつどこででも連絡を取り合える日常を作り出しました。その反面、親子、友人、恋人同士の関係性にも大きな変化をもたらしつつあります。
家庭、学校、職場でいま起きている問題を豊富なインタビューで分析し、便利さと引き換えに失ったもの、またそれを取り戻す方法を提言する内容です。

一緒にいてもスマホ ―SNSとFTF― / シェリー・タークル、日暮雅通

下記のTED Talk「つながっていても孤独?」は、AI(人工知能)分野で第2位の人気トークになっています。

タークルさんは「つながっていても孤立するのはなぜでしょう? 孤立してしまうのは、孤独に耐える力や一人でいられる力を養わないからです。孤独の中で自分を見つけ、その上で他者に近づき真の関係が築かれます」 そして、「常に接続していることで孤独ではないと勘違いしてしまう。それは危険です。本当は正反対だからです。一人でいられなければ、より孤独になるからです。そして、子ども達に一人でいることを教えなければ、いつか孤独になってしまう」と述べています。

さらに「孤独はいいことだと考えてください。一人の時間を作りましょう。皆さんの子供たちにとても価値のあることだと教える方法を見つけましょう」と語っています。

AIやスマートフォンによって人間同士のつながりの定義が変わろうとしています。ネット依存症やスマホ依存症、そして「いじめ」とも関連する興味深い TED Talkです。

意識は「純粋な知能」とはあまり関係がない(TED: Anil Seth)

Your brain hallucinates your conscious reality | Anil Seth

サセックス大学サックラー意識科学センターのアニル・セス(Anil Seth)博士は、「私の研究では、意識が“純粋な知能”とはあまり関係がないことを証明しています。意識はむしろ、生存し呼吸する有機体であることとより結びついているのです」と語ります。

セス博士は意識には2つの面があり、「外的経験」と「内的経験」について面白い実験例を示します。

まず不明瞭で聞き取りにくい音声を再生。続けて、はっきりとした音声「ブレグジットはほんとうにひどいアイデアですね」という意味の音声を再生します。セス博士はもう一度、最初に流した不明瞭な音声を再生。そうすると、同じように聞き取りにくかったはずが、今度ははっきりと理解できます。いくつかの実験例に、会場は驚嘆した表情が溢れます(^^)

「幻覚が“制御されていない知覚”のようなものだとすれば、知覚そのものも幻覚のようなものなのです」「実際に、いま、この時も私たちは常に幻覚を見ています。ただ、人が自分たちの幻覚に対して“合意”するとき、それを現実と呼んでいるのです」と、セス博士は言います。

セス博士は、「意識は独特なかたちで、生存し呼吸する有機体(人)に織り込まれている」「人工知能(AI)が意識をもちうることや、ロボットに脳をアップロードすることに対する不安は必要ない」と述べています。AIを語るときに避けられない「人の意識とは何か」に迫る興味深いTED Talksです。