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火星で複雑な有機物質を検出、メタン濃度の季節変動も

6月7日、火星で生命の痕跡を探る米航空宇宙局(NASA)の火星探査機キュリオシティが、火星の表面にある35億年前の岩石から、これまでで最も複雑な有機物質を検出したと科学者チームが発表しました。火星の生命探査に飛躍的な進展をもたらす発見です。さらにキュリオシティは、大気中のメタン(CH4)濃度が季節変動することを示すさらなる証拠を発見しました。これは、メタンの発生源が火星自体で、おそらく火星の地下水である可能性が高いことを示唆しているそうです。

This low-angle self-portrait of NASA’s Curiosity Mars rover shows the vehicle at the site from which it reached down to drill into a rock target called “Buckskin” on lower Mount Sharp. / Credits: NASA/JPL-Caltech/MSSS

火星のゲール・クレーター(Gale Crater)での掘削調査で採取された複数の化合物は、生命の直接的な証拠ではないものの、キュリオシティが火星に着陸した2012年以降に火星表面から掘削採取された化合物としてはこれまでで最も多様性に富んだものだと、専門家らは指摘しています。

同クレーターには古代の火星の淡水湖が存在していたと考えられています。宇宙生物学者のジェニファー・アイゲンブロード(Jennifer Eigenbrode)氏は、「これは重大な意味を持つ発見だ。火星上で最も過酷な環境の一部に有機物質が保存されていることを意味するからだ」そして「火星にかつて生命が存在していたとすると、ここはその当時生命が生息するのに適した場所だった」と話しています。(YouTube)

サイエンス誌掲載の別の論文では、季節によって大きく増減する火星のメタンの発生源の探求に関する最新情報が報告されています。3年分の測定データに基づく論文によると、最も単純な構造の有機分子メタンの濃度は、変動範囲が「0.24~0.65ppbで、北半球の夏の終わり近くにピークに達する」ということです。解説記事は「ゲール・クレーターは約35億年前、生命が発生した当時の初期の地球に匹敵する条件を備えた生命存在可能な場所だったことを、キュリオシティの調査結果は示している」と説明しています。

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