イラクの迫害されるヤジディ教徒(Yazidis)

マラク・ターウース(Melek Taus)/ Wikipedia
マラク・ターウース(Melek Taus)/ Wikipedia

マラク・ターウース(Melek Taus)は、イラクのクルド人の間で信奉されるヤジディ教徒Yazidis)の主神にして孔雀天使です。人類を救うために天に反逆した堕落天使とされます。

ヤジディ教は少なくても6700年の歴史があると言われる信仰で、イスラム教の教えにゾロアスター教や古代ペルシャの宗教、さらには地中海東部に起源を持つ謎の多い宗教のミトラ教が入り交じり、口伝えによる豊かな伝統を持っています。

さまざまな信仰体系が混合された宗教はシンクレティズム(混交主義)と呼ばれますが、悪魔崇拝との非難を受けるようになったのは、16世紀末から17世紀初頭にかけてです。これまで何度もジェノサイド(大量虐殺)の危機に直面してきました。
マラク・ターウースの描写は、コーランに記されたシャイターン(悪魔)に重なる部分が多いように聞こえます。ヤジディ教ではこの天使は良き力を持つ者とされています。

イラク・シリアのイスラム国」(ISIS)あるいは「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)と呼ばれるスンニ派アラブ人の武装組織がシンジャル(Sinjar)を制圧し、さらに北上を企てる中で、イラクに居住するおよそ7〜50万人のヤジディ教徒は、自分たちの部族と宗教が今度こそ終わりを迎えるのではないかと恐れています。

Shrine (that also contains the tomb) of Sheikh Adi.
Shrine (that also contains the tomb) of Sheikh Adi / Wikipedia

地理的に切り離された場所に住み、宗教的な迫害を頻繁に受けていたことから、ヤジディ教徒は閉鎖的な文化を築き上げてきました。イラク北部クルド山岳地帯にある町ラリッシュ(Lalish)は、ヤジディ教徒にとっての聖地であり、神殿が建てられた巡礼の地、先祖が住む場所でもあります。

イラクに住むヤジディ教徒は他のクルド系住民との間で婚姻関係を結ぶことはめったになく、他の宗教からの改宗者も受け入れていません。
「非常に閉ざされたコミュニティーになっている」と、ヤジディ教徒を研究するゲッティンゲン大学のカナ・オマルカリ(Dr. Khanna Omarkhali)氏は指摘しています。(National Geographic)

米軍の空爆という支援を得て、イラク北部のクルド系住民クルディスタン地域政府(KRG)の民兵組織ペシュメルガ(Peshmerga)はシンジャルを奪還すると明言しています。

Nobuyuki

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