ダーイシュ( IS )の破壊行為は文化的なジェノサイド

ニムルドから出土した門番となる人頭有翼獣ラマッスの像 / Wikipedia
ニムルドから出土した門番となる人頭有翼獣ラマッスの像 / Wikipedia

イラクは、古代メソポタミア文明が興った場所であり、その遺産は旧世界の文明の発展に大きな影響を与えました。多くのアラブ国家と異なり、イスラム教が普及する以前から文化が栄えていました。

文明のゆりかご(Cradle of civilization)となった古代メソポタミアやシュメールの文化において、筆記や車輪などが発明されています。8~9世紀に、アッバース朝のカリフがバグダードに首都を置き、世界で最も財のある文明を築き上げています。

昨年から過激派組織ダーイシュ( IS )は、掌握したイラク北部の古代遺跡などの文化遺産を相次いで破壊しています。そして、3月5日ニムルド遺跡を重機で破壊、7日には北部モスル南郊にある古代都市で、ユネスコの世界遺産に登録されている「ハトラ遺跡」を、ISが破壊したとイラク観光・遺跡省が発表しています。

イシュタルのレリーフ / Wikipedia
イシュタルのレリーフ / Wikipedia

ユネスコのイリナ・ボコヴァ事務局長は、声明で「文化遺産の意図的破壊は戦争犯罪」と指摘、世界遺産などの破壊は「文化浄化(cultural cleansing)という恐ろしい戦略の中でも岐路になる破壊行為だ」と非難しています。

また3月6日、エジプトのイスラム教スンニ派の最高権威機関アズハル(Al-Azhar)は、「古代遺跡などの破壊は禁止」「文化遺産は歴史的意義を持っている」との公式声明を出しています。

過激派組織ダーイシュ( IS )の文化遺産や古代遺跡の意図的破壊行為は、文化浄化(*民族浄化)や文化的なジェノサイドと言えるもので、人類の英知や共通財産に対する犯罪です。

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