認知バイアスとしてダニング=クルーガー効果が注目

不思議の国のアリス / Wikipedia

認知バイアス(cognitive bias)の一形態としてダニング=クルーガー効果(Dunning–Kruger effect)が注目されているようです。

1999年にこの「効果」を策定したコーネル大学のデイヴィッド・ダニング(David Dunning)とジャスティン・クルーガー(Justin Kruger)は、「優越の錯覚を生み出す認知バイアスは、能力の高い人物の場合は他人に対する過小評価に起因しています。一方で、能力の低い人物の場合は自身に対する過大評価に起因しています」と述べています。

知識や技能が低い人ほど自己評価が高くなるダニング=クルーガー効果が注目されるのは、メディアやネット検索、SNSなどを通して情報量が増大し、「自信のありそうな人」の言動が目立ってしまうことも一因のように思います。1月に日本語版が発刊された「クラウド時代の思考術―Googleが教えてくれないただひとつのこと」でも取り上げられたりしています。

さらに、高齢になるほど自信過剰になる傾向を「高齢者犯罪とダニング=クルーガー効果」としてミニ特集したブログもあります。連日報道される高齢者による犯罪、高齢ドライバーの交通事故、そして高齢者のストーカー、トラブルなどなど、高齢になるほど認知バイアスとしてダニング=クルーガー効果のワナに陥る危険性が高いことを社会全体で共有し、予防の対策をする必要がありそうです。

中国の哲学者孔子(紀元前551年-紀元前479年)は「真の知識は、自分の無知さを知ることである」と語り、またイギリスの劇作家シェイクスピア(1564年–1616年)は「愚か者は自身を賢者だと思い込むが、賢者は自身が愚か者であることを知っている」、生物学者チャールズ・ダーウィン(1809年–1882年)は「無知は知識よりも自信を生み出す」、哲学者および数学者のバートランド・ラッセル(1872年–1970年)は「私達の時代における苦しみの一つは、確信を持っている人間は愚かさに満ちており、想像力と理解力を持っている人間は疑いと執拗さに満ちていることだ」と、それぞれ語っています。

Confidence(自信) Experience(経験):ダニング=クルーガー効果の図(Google検索)

2000年に「効果」を策定したデイヴィッド・ダニング氏とジャスティン・クルーガー氏は、認知バイアスについて1999年に執筆された論文「Unskilled and Unaware of It」で、イグノーベル賞の心理学賞を受賞しています。