大規模爆風爆弾兵器(MOAB)の投下映像を公開

長さ9.1m 直径1m以上の GBU-43/B(MOAB)

正式名称 GBU-43/B、通称 MOAB(モアブ: Massive Ordnance Air Blast、大規模爆風爆弾兵器)は、米国空軍が開発し、2017年1月現在で通常兵器としては史上最大の破壊力を持つとされる爆弾です。

長さ約9.1m、重さ約9,800kgの爆弾で、8,482kgの炸薬があります。基本的な設計思想は、ベトナム戦争及びアフガニスタン侵攻で使用されたデイジーカッターと同様の爆弾です。

巨大な爆弾のため通常の爆撃機には搭載できず、C-130やC-17などの大型輸送機の後部貨物扉から MOABを載せたパレットごとパラシュートで引き出されて空中投下されます。パレットから切り離された後は、GPS誘導により展開した格子状のフィンで方向を制御して降下するため、デイジーカッターより命中精度が良く、また高高度から投下できるため敵の対空砲火を浴びる危険性が少ないという利点があります。

4月13日、米軍はアフガニスタン東部ナンガルハール州のイスラム過激派組織イスラム国(IS)のトンネル複合施設に対し投下した際の様子を捉えた映像を公開(下記の映像)しました。

アフガニスタン国防省は、この空爆によりISの戦闘員36人が死亡したと発表しましたが、ISは14日、傘下の通信社アマック(Amaq)を通じた声明でこれを否定し、死傷者は出なかったと主張しています。

Kabul, Afghanistan
A GBU-43/B Massive Ordnance Air Blast bomb strikes an ISIS-K cave and tunnel systems in the Achin district of the Nangarhar Province in eastern Afghanistan at 7:32 p.m. local time April 13, 2017.

脱走したヤジディ女性 Nadia Murad さんが国連親善大使へ

Appointment Ceremony of UNODC Goodwill Ambassador / UN Photo/Eskinder Debebe
Appointment Ceremony of UNODC Goodwill Ambassador, Ms. Murad (centre) speaking during the ceremony. On her left is Secretary-General Ban Ki-moon. / UN Photo/Eskinder Debebe

9月16日、過激派組織イスラム国(ISIS)により、2014年に性奴隷として人身売買され、脱走したヤジディ教徒のナディア・ミュラド(Nadia Murad Basee Taha)さん(23歳)が、国連薬物犯罪事務所(UNODC)の親善大使に就任しました。

UNODCの親善大使として残虐行為の生存者は初めてですが、ナディアさんは支持者を始め多くの人たち励まされ、人身売買の被害者の尊厳を守り、ヤジディ教徒コミュニティに希望を持たせたいとしています。そして、ISISの性奴隷化と犯罪行為を明らかにするために就任の決断をしました。

ナディアさんは、数多くの親族とともにイラクの静かな農村で生まれ育ち、メイクアップアーティストを夢見ていました。2014年8月3日のISIS襲撃により 9人兄弟姉妹のうち 6人はその場で処刑され、ナディアさんと2人の姉妹は奴隷として男女数千人とともに誘拐され、奇跡的に脱走に成功していました。

ヤジディ教徒コミュニティにおいてはレイプが恥とされることや、性暴力を明らかにした女性や少女に対する報復への恐怖が、少ない被害者本人による告発数になっていると、ヤジディ教徒の活動家は見ています。HRW(ヒューマン・ライツ・ウォッチ)による聞き取り調査(ビデオあり)をご覧ください。

国連本部でナディアさんは時折声を震わせながら、現在も3,200人以上いるというヤジディ教徒の救出や、ジェノサイド(集団殺害)や人身売買の被害者らを難民などとして受け入れるよう、国連加盟の各国に呼びかけています。
Nadia Murad Basee Taha (ISIL victim) on Trafficking of persons in situations of conflict – Security Council, 7585th meeting(16 Dec 2015 / UN Wab TV)