2017年ピューリッツァー賞(The 2017 Pulitzer Prize Winners)

4月10日、2017年のピューリッツァー賞が発表され、ニュース速報写真部門では、米ニューヨーク・タイムズ紙に掲載されたフィリピンのドゥテルテ大統領が始めた麻薬密売組織を撲滅するとした「麻薬戦争の暴力」を撮影したフリーランスのダニエル・ベレフラク(Daniel Berehulak)氏が受賞しました。
ベレフラク氏は、35日間にわたり41の犯罪現場で57件の殺人事件を撮影。薬物常習者と麻薬ディーラーは「全員殺す」という大統領の宣言により、ほとんどが警察か自警団によって殺害されています。

For powerful storytelling through images published in The New York Times showing the callous disregard for human life in the Philippines brought about by a government assault on drug dealers and users. (Moved into this category from Feature Photography by the nominating jury.) / The Pulitzer Prizes

特集写真部門では、シカゴ・トリビューン(The Chicago Tribune)のジェイソン・ワムスガンズ(E. Jason Wambsgans)氏が受賞しました。シカゴは米国で最も銃による犯罪件数が多い都市と言われ、銃撃事件が多発しています。事件の犠牲者となった10歳の男の子と、彼の母親や家族が、男の子の人生を一緒に戻そうと努力しているところを描写した素晴らしい写真です。

For a superb portrayal of a 10-year-old boy and his mother striving to put the boy’s life back together after he survived a shooting in Chicago. / The Pulitzer Prizes

ドキュメンタリー映画「海は燃えている(Fuocoammare )」

Fuocoammare (2016) / IMDb

ジャンフランコ・ロージ監督の「海は燃えている〜イタリア最南端の小さな島〜」は、アフリカ大陸にもっとも近いイタリア領最南端の島ランペドゥーサ島を舞台にしたドキュメンタリー映画です。

12歳の少年サムエレが生まれたこの島には、彼が知らないもうひとつの顔があります。それは、アフリカや中東から命がけで地中海を渡り、ヨーロッパを目指す多くの難民・移民の玄関口としての顔です。

島の自然の中で無邪気に遊ぶ少年サムエレの笑顔、過酷な海の旅を経て島へとやってきた難民の涙。
小さな島の中には死があり、そして、生があります。美しく詩情あふれる映像と共に描かれるそれぞれのストーリーがドラマチックに心を揺さぶる、静かな衝撃作です。

ジャンフランコ・ロージ監督が島へと移り住み、1年半をかけて温かくも冷静な眼差しで、島の「真の姿」を描き出したドキュメンタリーです。

ロージ監督は、二作連続で世界三大映画祭の最高賞を受賞しただけでなく、「ベルリン」「ヴェネチア」でドキュメンタリー映画で初の最高賞を受賞するという快挙を成し遂げています。
審査員長のメリル・ストリープは「現代を生きる私たちに必要な映画。この映画が世界中で公開されるためならどんなことでもする」と力強く本作を応援しています。

・第66回ベルリン国際映画祭金熊賞(グランプリ)受賞
・第89回アカデミー賞外国語映画賞イタリア代表
「海は燃えている~イタリア最南端の小さな島~」は、2017年2月11日(土・祝)から Bunkamuraル・シネマほか全国で順次公開です。