中国の「大衆創業・万衆創新」と日本の競争力

Tiananmen Gate to the Forbidden City / May Wong

10月18日、中国共産党全国代表大会が開幕、今後5年間の中国の基本方針も決める党大会は10月24日まで行われます。
大会冒頭に演説した習近平国家主席は、中国が「世界の舞台の中心に立つ」べき「新時代」を迎えたと述べています。

日本は、国の経済・財務に関する多くの指標で、中国とインドを上回っています。国全体の競争力についても同様です。しかし、将来的にはそうした状況も変わるかもしれません。世界経済における競争の上で、優位性を維持するための源となるのは、結局のところ人材だからだとする興味深い記事(10/21 Forbes)があります。

中国とインドはすでに、競争力に関する2つの重要な指標において日本を超えています。世界経済フォーラム(WEF)の「2017~2018年国際競争力ランキング」が明らかにしています。

「人材を獲得する力」では日本が73位だった一方、インドはそれを大幅に上回る19位、中国が23位です。また「人材を確保する力」は、日本:44位、インド:24位、中国:34位となっています。

ムードゥクータ(Panos Mourdoukoutas)氏は「中国とインドがなぜ日本に比べより多くの人材を引きつけ、維持することができるのかについては、2点挙げています。一つは「人材の流動性の高さ」です。人材は成長と機会がある場所に向かって移動します。過去数十年、日本経済が伸び悩む中で、中国とインドは急速な成長を遂げてきたこと。
もう一つは、中国とインドそれぞれの状況で、中国は近年、大学のレベル向上を図るために外国人の優秀な人材の獲得に多額の投資をしてきました。これにより、世界ランキングにおける中国の大学の順位は上昇。また、アリババテンセントレノボなど、国際市場でのプレゼンスを拡大させている企業があるとしています。

日本については「政府の呼びかけの一方で、企業は外国人の人材を呼び込み活用することができずにいます。それは、外国人たちが仕事に求める「キャリア」を提供する準備ができていないこと。そして、才能のある個人がキャリアを伸ばし、向上させることを可能にする社会経済的な状況と、文化的な思考が欠けていること」と指摘しています。

中国ではノベーションによる発展推進戦略「大衆創業・万衆創新(大衆による起業・万人によるイノベーション)」を拡大して、より高いレベルに引き上げたいとしています。「中国のシリコンバレー」等とも呼ばれ、歴史上比類のないスピードで発展した深セン(深圳)市の興味深い記事があります。

WEFの国際競争力はスイスが9年連続1位、日本は9位


IMD2017年世界競争力とデジタル競争力ランキング

IMD World Digital Competitiveness Ranking / IMD

2017年5月31日、スイスの国際経営開発研究所(IMD)は、主要63カ国・地域を対象にした2017年版「世界競争力ランキング」を発表しました。

同時に新しいレポートであるデジタル競争力ランキング(Digital Competitiveness Ranking)を発表しています。

2017年総合の首位は香港、2位はスイス、3位シンガポールとなり、米国は3位から4位に後退しています。オランダ、アイルランド、デンマーク、ルクセンブルグ、スウェーデン、UAEがトップ10に入っています。12位カナダ、13位ドイツ、14位台湾、15位はフィンランド(昨年20位)でした。
そして、中国が昨年25位から18位に躍進しています。

日本は昨年と同じ総合26位、14位の経済(Economic Performance)や、35位の政府(Government Efficiency)が若干改善していますが、民間(Business Efficiency)が35位(昨年29位)と大きく下げています。新しい成長戦略を作成しても競争力は長年停滞したままです。

日本のデジタル競争力ランキングは、63カ国中27位。首位はシンガポール、2位スウェーデン、3位は米国です。日本は、デジタル経済の推進を担うIT人材が41位、デジタル教育が31位、キャピタルが33位、デジタル分野規制は37位、デジタルで変化に即応できる力(Business agility)は、なんと57位です。デジタルやITを活用した改革が進まず、ビジネスチャンスにも即応できない日本の実態が反映されています。

OVERALL RANKING AND FACTORS / IMD