日本の未来投資戦略と”不安な個人、立ちすくむ国家”を読む

未来投資戦略2017(素案) (概要) / 内閣府

2017年6月9日に「Society 5.0(ソサエティ5.0)」の実現を目指して「未来投資戦略2017」が閣議決定されました。

この「未来投資戦略2017」と、経済産業省の次官・若手プロジェクトが作成した「不安な個人、立ちすくむ国家(pdf)」を、どのように読んだでしょうか?

「未来投資戦略2017」を読んでも、安倍政権の「成長戦略で明るい日本」が霞んで見えてしまいます。
経済産業省の「不安な個人、立ちすくむ国家」でもその一部分が指摘されていますが、高度成長時代(日本が発展途上国)に確立させてしまった「協調組合主義的な価値観」からの脱却の難しさです。

世界競争力上位の世界各国は「イノベーション」と「創造力」そして「デジタル経済」への積極投資で、産業構造を適応させ経済を発展させています。また、旧来の法律や制度を見直し「国民の幸福度」を高めています。

どのような高度の成長戦略でも基本は「人間」です。個人が持っている素晴らしい能力や、多様な才能を抑制する組織や企業は発展しないのが21世紀です。人工知能(AI)やFinTech、コンピュータ・データサイエンス分野など「デジタル競争力」の世界ランキング、日本は26位です。

「英国病」に例えた「日本病」、その複合的な疾病を治すためには国民と官僚の覚悟、財界やマスメディアの覚悟、そしてリーダーの覚悟が必須です。「モデル無き時代」を切り拓くのが先進国です。

不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~ / 経済産業省

世界から周回遅れの日本型コミュニケーション

Reading e-mail / Toms Baugis
Reading e-mail / Toms Baugis

1990年に海外研修の際、MIT Midia Labの教授の部屋で説明を受けました。パソコン通信の時代でしたが、傍に Macintosh 128Kと、古いタイプライターが並んでいました。

タイプライターは公式文書や古い友人との手紙を作成する時に使用し、大学や研究関連のコミュニケーションは、便利な電子メールを使用していると話されていました。家族の間では手書きです。

2015年の年末に「日本病」について、ジャーナリストの冷泉彰彦さんから提示された項目は以下の6項目です。
(1)コミュニケーションと言語の特殊性(2)上下関係のヒエラルキー(3)東京一極集中は何故ダメなのか?(4)産業構造が高付加価値型になっていない(5)苦手でも金融をやるしかない(6)無駄だらけの教育システム

1月14日の Newsweekに下記の記事があり、上下関係のヒエラルキーと一体化した特殊な日本型コミュニケーションの「非生産性」について述べています。特殊な日本型コミュニケーションは、ビジネスの生産性向上を大きく妨げています。一読をお勧めします。

Family face to face / julien haler
Family face to face / julien haler

当ブログで「友人や家族とのコミュニケーション手段の動向」を掲載しました。調査データでは、先進国はネット時代になっても圧倒的に「親しい友人や家族」との「対面:Face to Face」コミュニケーションを大事にしています。

しかし、日本では「電子メール」や「携帯電話」、最近では「Line」などのコミュニケーションで済ましているとの結果です。便利なのは分かりますが、それでは何故ビジネスでは、非生産的な会議や委員会(対面型)などが多いのでしょうか?

組織の上下関係のヒエラルキーと一体化した、非生産的な日本型コミュニケーションは、ビジネスにおける生産性向上を「世界から周回遅れ」状態にしています。

「対面:Face to Face」「電話」「電子メール」「掲示板」「Line」「Skype」「電子会議」「在宅勤務」などなど、数多くのコミュニケーション手段を、そのメリットとデメリットを考慮して組み合わせ、ビジネス(仕事のやり方)を合理的に最適化しないと「日本病と日本経済の凋落」「長時間労働」「少子化」などを止められないと思います。

友人や家族とのコミュニケーション手段の動向