歌舞伎(Kabuki)の魅力と面白さを海外へ

Dancing in a Kabuki Performance by Royal Ontario Museum, 19th century by Kaian(Megata Morimichi))

歌舞伎(かぶき)は、日本固有の演劇で伝統芸能の一つ、2009年9月にユネスコ無形文化遺産に登録されています。

歌舞伎という名称の由来は、古語の「傾く(かぶく)」を名詞化した「かぶき」と言われ、派手な衣装や一風変わった異形を好んだり、常軌を逸脱した行動に走ることを指して「かぶき者」と言ったそうです(^^)

歌舞伎の元祖は、「お国」という女性が創始した「かぶき踊」であると言われています。遊女屋(遊女歌舞伎)で取り入れられ、わずか10年あまりで全国に広まりますが、喧嘩が絶えず男色の「若衆歌舞伎」とともに江戸幕府により禁止されます。

慶長5年(1600年)の「時慶卿記」によれば、「かぶき者」の茶屋遊びというエロティックな場面を含んだものであったようです。

お国(今日でいう出雲阿国)

歌舞伎は、江戸時代から浮世絵などを通して英語圏へ浸透「Kabuki」「Ninjya」「Geisya」なども、伝統を含めると正しく理解されているとは言えないようです。英語への借用語も増えていますが、こんな言葉も通用するようです(^^)

英語の「Kabuki」については、政治関連ニュースで This is now political kabuki theater.(いまの政治は歌舞伎劇場だ。)などのフレーズや、議会演説で political kabuki(芝居がかった政治)として報道されることがあるようです。歌舞伎が好きなネイティブは、この表現を使わないそうです。

日本の伝統芸能は、難解で理解されにくいのかも知れません。観劇の機会を増やしたり、海外発信を強化するだけではなく、日本人自身も多様性や異文化の理解を深め、積極的に異文化を受け入れるクールジャパン(Cool Japan)にして行くことが必要なのだと思います。

歌舞伎座 / Masahiro Shima(Facebook)

日本文学と日本映画の名作「飢餓海峡」

Kiga kaikyô (1965) / IMDb

水上勉さんが推理作家から社会派の作家へと移行する時期の作品で代表作の一つです。戦後の貧困の時期を生きることになった多くの日本人の悲哀が主要な登場人物に投影されています。

1965年(昭和40年)に映画、また1968年からテレビドラマ、1972年からは舞台が数回にわたって制作されています。映画とテレビで6,7回観ていますが、久しぶりに動画配信で3時間2分のノーカット版を鑑賞しました。

洞爺丸事故」は、1954年(昭和29年)9月26日に青函航路で台風第15号により起こった、青函連絡船洞爺丸が沈没した海難事故です。死者・行方不明者あわせて1,155人に及ぶ、日本海難史上最大の惨事となっています。
また、同日に岩内町では市街の8割・3298戸が焼失(写真)、罹災者16,622人、死者35人(焼死33人、溺死2人)、負傷者551人、行方不明3人の「岩内大火」が発生しています。

飢餓海峡は、この洞爺丸事故と岩内大火を題材にして着想されています。
青森県大湊(現:むつ市)の娼婦・杉戸八重は、一夜を共にした犬飼多吉と名乗る見知らぬ客から、思いがけない大金を渡されます。八重は借金を清算して足を洗い東京に出ますが、犬飼の恩を忘れることはなく、金を包んであった新聞と犬飼が使った安全カミソリ(映画では犬飼の爪)を肌身はなさず持っていました。

殺人事件の捜査を通して、犬飼多吉と娼婦・杉戸八重が貧困の中で懸命に生きた想いや、人生の悲哀と悲劇が描かれた日本文学と日本映画の名作です。

Le détroit de la faim – Tomu Uchida – Trailer 投稿者 k-chan

岩内町にある木造総金箔大仏の英語パンフレット作成