コミュニケーション中の脳の反応(TED: Uri Hasson)

Uri Hasson: This is your brain on communication
Uri Hasson: This is your brain on communication

神経学者のウリ・ハッソン(Uri Hasson)さんは、人のコミュニケーションに関する基本的なことを研究しています。
彼の研究室の実験により、「例え話す言語が異なっていても、同じ概念や話を聞いているときには、我々の脳は似たような反応をしたり、同調したりすることが見出された」と話します。

この驚きの脳神経の機構により、脳の反応パターンを伝えたり、記憶や知識を共有することができます。ハッソンさんは「我々は意味に対する共通コードがあるからコミュニケーションができるのだ」と言います。

講演は「私の記憶や夢、アイデアを記録し、それをあなたの脳に伝える装置を発明できたら? この技術が劇的な変革をもたらすかもしれませんね?」と始まります。SF映画によく登場する記憶や能力を瞬時に転写する機械ですね(^^)

Uri Hasson: This is your brain on communication
Uri Hasson: This is your brain on communication

驚いたことに、聞き手のこの複雑なパターンが話し手の脳にも見出されたのです。話すことと聞き手の理解することが、とても類似したプロセスに依存しているのです。
さらに判明したことは、聞き手の脳の反応と話し手の脳の反応が似ているほどコミュニケーションが上手くできていました。

この研究では、コミュニケーションは共通の背景に依存することも明らかにしました。社会として留意すべきこともあるでしょうとして、「僅かな数のマスメディアに我々の考え方を操作しコントロールさせているからです」と述べています。
興味深いハッソンさんの TED Talkです。

大人になっても新しい脳細胞を生成できる(TED)

You Can Grow New Brain Cells. Here's How | Sandrine Thuret | TED Talks
You Can Grow New Brain Cells. Here’s How | Sandrine Thuret | TED Talks

スペインの科学者サンティアゴ・ラモン・イ・カハル氏は、世界で初めてニューロン説を唱え、1906年にノーベル生理学・医学賞を受賞します。著書「神経系の再生と変性」の中で「一度出来上がった脳細胞のシステムは、変化せず、増殖は不可能だと思われる」という趣旨のことが述べられています。
そこから「ヒトの脳の神経細胞は、青年期を過ぎると一日10万個のペースで死んでゆき、補充される(新たに生まれる)ことは無い」との通説/俗説が生まれ、何十年も信じられていました。

大人になってからも、脳の神経細胞を生成する「神経新生」のメカニズムを解説するのは、キングス・カレッジ・ロンドンの神経科学者であるサンドリン・チュレ博士(Dr Sandrine Thuret)です。

Sandrine Thuret
You Can Grow New Brain Cells. Here’s How | Sandrine Thuret

カロリンスカ研究所で働くヨナス・フライセン氏は「人間は1日当たり700個の新しい神経細胞を海馬で生成している」と推測しています。人間の神経細胞の数は脳細胞が何百、何千億個とも言われていますが、50歳になれば脳の神経細胞は生まれたときに持っていたものから、成人してから生み出されたものに全て取り替えられるとのことです。

この「神経新生をコントロール可能か?」という疑問については、回答は「イエス」で人為的に神経新生をコントロールすることは可能と述べています。

チュレ氏は、学習、セックス、ランニングは神経新生を活性化し、反対にストレス、睡眠不足、老化は神経新生を不活性化することが研究により明らかになっていると語ります。

食生活でも強い効果を与えられ、日本の研究グループが食べ物の食感と「神経新生」の関わりを調べたところ、「やわらかい食事」は神経新生を不活性化し、「咀嚼」を求めるような食事やバリバリした食べ物は神経新生を促進することが明らかになっています。