ロヒンギャ避難民の緊急事態に支援を(空からの映像)

Help Rohingya Refugees Now / UNHCR

ミャンマーのラカイン州北部で起きた暴力行為により、隣国バングラデシュに逃れるロヒンギャ(ミャンマーのイスラム系少数民族)の人々が急増しています。
その数は8月25日から約53万6,000人にのぼり、10月9日には1日だけで1万1,000人以上が安全を求めて逃れています。

その大半が徒歩でジャングルに隠れながら山や川、海を渡り、人々は水も食糧もなく、体調を崩し弱り切った身体で国境を越えています。
また、モンスーンによる連日の豪雨で避難場所が洪水となり、難民をさらに苦しめています。水も不足し衛生環境が悪化する中、コレラなど感染症の発生が懸念されています。

10月16日に、グランディ国連難民高等弁務官らが、受け入れ国に対する支援などを求める共同声明を出しました。また、空からドローンで撮影した避難民の様子を公開(音声無し)しました。

声明では「(ロヒンギャ難民の隣国への)流入の速度と規模により、世界で最も早く拡大している難民危機および人道危機になっています。バングラデシュ政府や地元の慈善団体、ボランティア、国連、NGOなども支援をしていますが、喫緊にさらなる支援が必要とされています」と指摘しています。

国際社会に対して、50万人以上とされるロヒンギャ難民問題の解決の努力と支援を呼びかけています。

死を逃れてミャンマーのロヒンギャ難民危機

安全求めてジャングル進む ミャンマー・ロヒンギャ難民 / BBC News Japan

ロヒンギャ(Rohingya people)とは、ミャンマーのラカイン州(旧アラカン州)に住む人々です。
ミャンマー政府及びラカイン州当局は、ロヒンギャは「ベンガル人」であり、自国民ではないという立場を取っています。その歴史的経緯や難民問題については下記をご覧ください。

仏教徒が大多数を占めるミャンマーでは、イスラム教徒の少数派ロヒンギャはかねてから差別と迫害の対象となってきました。

昨年秋にも警察や治安部隊、ラカイン州の仏教僧がロヒンギャを追い出そうと村に火をつけ、住民を襲撃したとされる事件が相次いでいます。ミャンマーの治安部隊は逆に、市民を攻撃するロヒンギャの武装勢力に対抗しているのだと説明します。

ロヒンギャが多く暮らす西部ラカイン州から、8月25日以降だけでも12万3,000人以上がバングラデシュに逃れたということです。

今年8月からの衝突では、ロヒンギャ武装勢力が25日に約30カ所の警察施設を襲撃したことをきっかけに始まっています。これを受けて、治安部隊が100人以上のロヒンギャを殺害したとされるほか、人権団体ヒューマンライツ・ウォッチは、ロヒンギャの村1カ所で700棟以上の家が焼かれた様子を示すという衛星写真・画像を公表しています。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、国境沿いのバングラデシュ側に設けられた2カ所の難民キャンプはすでに満員状態で、水や食用、医薬品を必要とする難民の数が、劇的に急増しているということです。

ミャンマーの治安部隊が掃討作戦を行うなか、多数のロヒンギャの人々が隣国バングラデシュに避難しています。人々は山を超え、ジャングルを流れる川の中を歩いて難民キャンプを目指しています。