統計解析の手法と数学の難問「ドイツ戦車問題」

Panther tanks are loaded for transport to frontline units, 1943 / Wikipedia
Panther tanks are loaded for transport to frontline units, 1943 / Wikipedia

米国は第二次世界大戦に参戦すると、ロバート・マクナマラなどのハーバード大学統計学科の研究者を動員することで、これまでの情報活動には拠らない統計解析の手法を駆使することで、敵国戦力の把握に務めたそうです。

ロバート・マクナマラ(Robert McNamara、1916年6月 – 2009年7月)氏は、第二次世界大戦が勃発した後、1943年に陸軍航空軍へ入隊し、統計管理局で戦略爆撃の解析および立案の仕事に従事しています。
国防長官(1961年-1968年)時代は、システム分析の手法を広く導入したことで知られます。

戦争が始まると連合国は、数学的、統計解析の手法を使うことで、ドイツがどれだけの戦車を生産しているのか、解くことを考えたということです。
この統計解析の手法と数学の難問「ドイツ戦車問題(German tank problem)」が話題になっています。

German tank problem / Wikipedia
German tank problem / Wikipedia

この「ドイツ戦車問題」は、かなり複雑怪奇な方程式(Wikipedia)になりますが、その概要は、連合軍が捕獲したドイツ軍の戦車のギアに記されているシリアルアンバーなどを元に、米国の自動車工場での経験値を参考にドイツの戦車の生産車両数を推定したというものです。

戦後、実際の戦車生産の実数調査が行なわれ、驚くべき結果が得られています。数学の難問「ドイツ戦車問題」で得られた答えは、実際の戦車生産量と非常に近い数値を示していました。1942年8月時点の推定値は327両、実際は342両で誤差はわずか4.5%です。
一方で、連合国が情報機関を駆使して得たドイツの戦車の生産車両の数は、実際の数を数倍上回っていたことが明らかになり、あてにならないことも判っています。(下記の表を参照)

米国政府がCIA(中央情報局)に勝るとも言われている予算をNSA(国家安全保障局)に投じている理由はここにあるのかも知れません。金融や生命保険などの商品開発からビッグデータ解析、人工知能(AI)、宇宙産業や北朝鮮ミサイルの生産量。そして「愛を語る数学」まで、統計解析と数学の適用分野の広さと面白さは尽きないように思います。

German tank problem / Wikipedia
German tank problem / Wikipedia

人気のCIA機密文書公開とX-Files(Xファイル)

Sheffield, England,4 March 1962 / CIA
Sheffield, England,4 March 1962 / CIA

2016年1月21日、米国の中央情報局(CIA)は、1940年代後半から50年代にかけて調査したUFOに関する200件以上の機密文書を公開しました。人気ドラマ「Xファイル」を意識して、最後は「The truth is out there(真実はそこにある)」という、ドラマで使われたフレーズで締めくくられています(^^)

モルダー捜査官が地球外生命体の存在を主張するために役立ちそうな文書として、「1952年に旧東ドイツ上空で報告された空飛ぶ円盤」など5点の報告書をピックアップ。また、スカリー捜査官がUFOの存在を信じてしまいたくなるような文書として、「1953年1月14~17日付:未確認飛行物体に関する科学諮問委員会会議録」など5点の文書を選出しています。

1978年にCIAは、UFOに関する諜報活動を認めて報告書の存在を明らかにしましたが、国家安全上の理由から、それらの一部は長らく機密扱いされて非公開にされてきました。

2015年の人気記事TOP15には、「サメ忌避のレシピ研究」「犬の訓練」「エリア51、U-2のテストフライト」や「ステルス偵察機 OXCART vs Blackbird」など興味深い記事を掲載しています。嘘みたいな?ユニークな諜報活動や研究開発が明らかになり面白いですね(^^)

CIAなどの政府機関では、国家機密文書も一定期間を経て国民に公開するよう法律で義務づけられています。しかし、旧式の図書館のように手続き窓口に閲覧請求を出してから複写コピーする必要があります。日の目を見たことがないCIA文書は約1,300万ページ。これらの公開文書群をスキャンして、Internet Archiveサイトに登録する Kickstarterプロジェクト(目標額は10,000ドル)が開始されています。

CIA Museum(CIA博物館/3,500項目)のスパイロボット開発も面白いですね(^^)

Dragonfly Insectothopter / CIA
Dragonfly Insectothopter(超小型飛行機) / CIA

Robot Fish "Charlie" / CIA
Robot Fish “Charlie”(無人水中ビークル) / CIA