イエメンの内戦でコレラ感染が急拡大へ

イエメン:内戦とコレラ―アブス病院の日常 / MSF(YouTube)

2015年から始まったイエメンの内戦が激しくなる中で、コレラの感染が急拡大しています。

イエメンのMSFオペレーション・マネージャーを務めるガブリエル・サンチェス氏は、「北西部のハッジャ州アブスで劣悪な衛生状態と清潔な飲料水の不足を目のあたりにしています。これらはコレラ大流行の主な原因であることは明らかです。
給排水と衛生はコレラ発生以前も問題でしたが、今では喫緊の課題となっています。今行動しなければ、今後数週間から数ヵ月間でさらに大規模な人道危機に発展するでしょう」と警鐘を鳴らしています。

「国境なき医師団」のイエメンの現地責任者として、6月まで対応にあたってきた村田慎二郎さんは、急激に増える患者に対して、医療スタッフの数が追いついておらず、治療を受ける前に亡くなってしまう患者も少なくないと説明しました。

また、NGOが各地に設けた施設も攻撃を受けたことを明らかにしたうえで、「人道援助機関がスムーズかつ安全に援助活動ができる環境を整えてほしい」と述べ、円滑に治療ができるよう内戦の当事者や介入している国々に対して、国際社会としての働きかけを求めました。

動画は、コレラの専門治療センターの建て方【国境なき医師団】です。現場に到着してから3日以内の開設が期待されているそうです。

MSFリュー会長、エボラ出血熱とシリアのジレンマ

Dr. Joanne Liu / Facebook
Dr. Joanne Liu / Facebook

3月20日、国境なき医師団インターナショナルのジョアンヌ・リュー(Joanne Liu)会長が「日本記者クラブ」で会見を開き、西アフリカのエボラ出血熱の流行は「まだ終息していない」と強調。また、患者ゼロに向けて流行地域の医療システムを支える重要性を訴えました。

また、紛争が続いているシリアでは、医療を受けられずに苦しんでいる人びとへの援助と、スタッフの安全確保の両立が極めて難しいことを語っています。
約一時間の動画(通訳付)ですが、ぜひご覧下さい。

5年目に突入したシリア内戦では犠牲者は推定20万人とみられ、3月16日には塩素ガスとみられる窒息性ガスによる攻撃で6人が死亡、70人が負傷するなど、凄惨さを極めています。MSFは、シリア政府からは活動許可を得られず、反政府勢力の支配地域でシリア人医療者のネットワークを支援する形をとり、医療を受けられずに苦しんでいる人びとに治療を提供していました。

しかし、2014年1月に武装勢力(現在の過激派組織ダーイシュ:IS)に MSFスタッフ13人が拉致される事件が起き、これを機に「MSFの外国人スタッフは、シリア国内での活動を中断せざるを得ないと判断した」と説明。史上最大級の人道危機と、スタッフの安全とを天秤にかけなければいけない「MSFのジレンマ」と述べています。