グローバル時代の「文化の盗用」を考える。

一流モデルさん(モデルだけで年収5億円超)でありながら IT起業家を目指しているカーリー・クロスさんが、ファッション誌ヴォーグ(Vogue)3月号の特集で、日本の伊勢志摩で撮影してきた和風で芸術的な写真を公開したところ、いろんな意味で話題に…。なぜかもっぱら日本人以外の民族や人種の方々から、この写真は「日本人に対する差別だ、馬鹿にしてる、黒髪のカツラとかかぶせるくらいなら日本人のモデルを使えばいい」等々の厳しい批判や苦情が噴出。「実は、米国では、ちょっとした社会問題的なニュースになってたんですよ」と、ニューヨーク在住のりばてぃ♪さんが記事にしています。

Karlie Kloss in Elie Saab(2012)/ Wikipedia

「文化の盗用:Cultural appropriation」とは、文化的、宗教的な意味合いがある伝統をその意味を理解せず、勝手にトレンドとして使用を煽るような行動とされています。(CELESY, 2016年06月1日

「文化の盗用」に関する騒動は、ファッション界に限らずハリウッドや芸術分野でも、謝罪やイベント中止などに発展して先鋭化してきました。日本では文化的アイデンティティが希薄であり、「文化の盗用」という概念に敏感ではありませんでした。しかし、日本には昔からアイヌ民族琉球王国など、マイノリティ文化が存在しました。

これからの日本では、ますます移民の人達や外国人の観光客も増えてきます。文化の多様性や異文化について、教育やメディアを含めて考える時期だと思います。

Madame Monet in a Japanese kimono, 1875, Museum of Fine Arts, Boston

美しい勝利の女神、至宝サモトラケのニケ(NIKE)

Victoire de Samothrace / Wikipedia

パリのルーヴル美術館で「ミロのヴィーナス」とともに至宝とされる「サモトラケのニケ」は、ギリシア神話に登場する「勝利の女神」として、また優美でダイナミックな姿や、翼を広げた女性という特徴的なモチーフなどから世界中の人々に愛されています。

彫像を正面に見て右斜め45度の位置に立った時に、この彫刻は最も美しく見えます。彫刻の構成ラインを明確に見せてくれます。
一つのラインは、大きい垂直線で、右足に沿って、胸の高さまで上がっています。もう一つは、斜めの線で、左足から、腿へ上がり、胸に至ります。

こうして、勝利の女神像は、その肉体の花開いた形状と、衣の襞のまとまりと、動きのエネルギーとを同時に支える直角三角形におさまっています。ルーペで見る《サモトラケのニケ》で詳しく説明されています。YouTubeは2015年に終了した「ニケの修復作業」です。

ナイキ(Nike,Inc.)の由来は、社員の一人ジェフ・ジョンソンが夢で見た(^^)勝利の女神ニーケー(Nike)から、そしてロゴマークは翼をモチーフにデザインしたとされています。映画「タイタニック」で、甲板先端で両手を広げたポーズを取るのは、船の舳先に立つニケの真似です。
勝利の女神として美しく翼を広げた女性のダイナミックな動きが象徴化され、印象が強い頭部(顔)がないからこそ多くの人に愛されたのかも知れません(^^)

日本でのニケ野外彫刻像も大学やスポーツ施設などを中心に数多く、北海道では小樽市生まれの國松明日香(くにまつあすか)さんの NIKEをモチーフにした作品が有名です。

TED Talks 美をどう感じるか(リチャード・セイモア)