OSSのサボタージュマニュアル(Simple Sabotage Field Manual)

OSS長官時代のドノバン(1945年)/ Wikipedia
OSS長官時代のドノバン(1945年)/ Wikipedia

Office of Strategic Services(1942年6月13日~1945年9月20日: OSS)は、第二次世界大戦中の米軍の特務機関で諜報機関です。戦略諜報局や戦略情報局などと言われ、中央情報局(CIA)の前身です。

ウィリアム・ジョセフ・”ワイルド・ビル”・ドノバン(William Joseph “Wild Bill” Donovan 1883年1月 – 1959年2月)は、米国の軍人、弁護士、諜報員、外交官。戦略諜報局(OSS)の創設者でOSSの長官です。「米国情報機関の父」「CIAの父」(Father of Central Intelligence)などと通称されています。

1942年にOSS長官となったドノバンは、世界各地で諜報活動を展開し、ヨーロッパやアジアでは数々のスパイ活動やサボタージュ任務を成功させています。

この OSSのサボタージュ任務のシンプルなマニュアルが「Simple Sabotage Field Manual」です。1944年1月17日発行の公式文書です。

Simple Sabotage Field Manual / CIA
Simple Sabotage Field Manual / CIA

このマニュアルには、敵国の組織活動や生産性向上を妨害する方法が述べられています。特に「管理監督者」「従業員」「組織と会議」「電話」「交通」の5点について不朽のヒントが記されています。

全文は、下記サイト(PDFも有り)か、Kindle版(Amazon)で読むことができます。

シリコンバレー在住の渡辺千賀さんが、このマニュアルを意訳して「会社をダメにする11の行動様式」とする興味深い記事を掲載しています。

1. スピーディーに物事を進めると先々問題が発生するので賢明な判断をすべき、と「道理をわきまえた人」の振りをする。
2. 可能な限り案件は委員会で検討。委員会はなるべく大きくすることとする。最低でも5人以上
3. 会社内での組織的位置付けにこだわる。これからしようとすることが、本当にその組織の権限内なのか、より上層部の決断を仰がなくてよいのか、といった疑問点を常に指摘する。
4. 重要でないものの完璧な仕上がりにこだわる。

このマニュアルは、敵国組織に紛れ込んで、いわゆる「大企業病」にしようという工作指示書です。シリコンバレー在住の筆者の面白い記事です。ぜひ一読をお勧めします。

「大企業病」は「組織内部に官僚主義、セクショナリズム、事なかれ主義、縦割り主義などが蔓延し、組織の非活性をもたらす。社員は不要な仕事を作り出し、細分化された仕事をこなすようになる」ことですが、日本の場合「老齢化病」「画一化病」とも呼べるように思いますが・・・。
和訳された単行本(2015年7月)が北大路書房/版元ドットコムから発売されています(^^)

社会に警鐘:バリー・シュワルツ「知恵の喪失」

Barry Schwartz at TED 2009 / Wikipedia
Barry Schwartz at TED 2009 / Wikipedia

スワースモア大学の心理学教授バリー・シュワルツ(Barry Schwartz)は、官僚主義を極めて、破綻の道を進む社会の特効薬として「実践知」が必要だと提唱します。

規則は役に立たず、良かれと思って与えるインセンティブは裏目となり、そして実際的で日々の糧となるような「知恵こそ世界を再建する」のだとバリーは力強く説いています。

バリー・シュワルツ「知恵の喪失」は、日本の「失われた20年」「大企業病」「想定外の連発」「イノベーションができない日本」などに関して示唆に富む講演ともなっているようです。

以下のTED講演も、高度化した現代社会が抱える問題に鋭く切り込んでいます。