9月23日、トランプ米大統領は国連の一般討論演説で「国連の目的は何なのか?」と問いかけ、「彼らはただ、非常に強い言葉で書かれた手紙を書くだけで、その後何もフォローしない。空虚な言葉では戦争は解決しない」と付け加えました。また、トランプ氏は気候変動政策と再生可能エネルギーを攻撃し、「風車は哀れだ」と述べ、CO2排出量を「でっちあげ」と呼んでいます。演説で最も激しい攻撃の対象となったのは、トランプ氏が「二股の怪物(double-tailed monster)」と呼んだ移民問題と気候変動対策でした。
- トランプ米大統領の国連演説(Google検索)
- General Debate General Assembly : United States of America His Excellency Donald Trump President(9/23 UN)
- US President Trump criticizes UN, NATO and climate ‘hoax’(9/23 UN News)

トランプ氏は「世界一のテロ支援国」と称するイランについて、同国の核濃縮能力は「完全に破壊された」とし、政権が12日間の戦争の終結を仲介したと述べています。
ウクライナ問題については、NATO諸国が「ロシアと戦っているのに、モスクワから石油やガスを購入しているのは偽善的だ」と非難。トランプ氏が提案する解決策は「ロシアが戦争を終わらせなければ、米国は非常に厳しい関税を課すだろう。そうすれば戦争はすぐに終わるだろうが、欧州諸国も同様に関税を採用しなければならない」としました。
ガザに関しては、全ての人質を解放するための即時行動を促し、パレスチナ国家の一方的な承認は「ハマスの恐ろしい残虐行為に対する報酬」となるだろうと警告しました。
移民問題については、国連は2024年に「米国に入国し、南国境に侵入しようとする62万4,000人の移民を支援するために3億7,200万ドルの現金を費やした」と述べています。トランプ氏はさらに、「国連は侵略を阻止するものであり、促進するものではない」と付け加えました。
トランプ氏はまた、気候変動政策と再生可能エネルギーを攻撃し、「風車は哀れだ」と述べ、二酸化炭素排出量を「でっちあげ」と呼びました。彼は「グリーンエネルギー詐欺から抜け出さなければ、あなたの国は破滅するだろう」、「エネルギーと自由な移民がヨーロッパを破壊している」としました。また「中国は現在、世界の他のすべての先進国よりも多くの二酸化炭素を排出している」と主張しました。
下記はトランプ氏の演説内容について、ニューヨーク・タイムズ紙によるファクトチェックです。
- Fact-Checking Trump’s U.N. Speech(9/23 Linda Qiu / The New York Times)
リンダ・チウ(Linda Qiu)は、政治家や著名人の発言のファクトチェックを専門とするタイムズ紙の記者です。彼女は約10年にわたり、著名人の報道とファクトチェックに携わってきました。
