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Casualties in Gaza Strip

イスラエルの「ガザにおける政策と行動」をジェノサイドと認定(IAGS)

9月1日、研究者・専門家からなる世界最大のジェノサイド研究者団体・国際ジェノサイド研究者協会(International Association of Genocide Scholars:IAGS)は、イスラエルがパレスチナ・ガザ地区でジェノサイド(集団虐殺)を実行していると表明しました。IAGSは、イスラエルの行為が国連のジェノサイド条約による法的定義に該当すると認定した決議文を採択しました。

Genocide Scholars-IAGS
Genocide Scholars-IAGS Visitors Walk Past Memorial Sign – Olimpo Detention and Torture Center – Buenos Aires – Argentina / Wikipedia

1994年に設立されたIAGSは、ジェノサイドの性質、原因、および結果についての研究と教育を推進し、ジェノサイド防止に関する政策研究を推進することを目的とする、世界的、学際的、無党派の組織です。メンバー約500人のうち28%が9月2日の投票に参加し、投票者の86%が決議文を支持しました。

決議文の中で、IAGSは22カ月に及ぶ戦争の間にイスラエルが行ったさまざまな行為を列挙し、それらがジェノサイド、戦争犯罪、人道に対する罪に該当すると認定しました。また、医療、支援、教育など、生存に不可欠な人材や施設への幅広い攻撃があったと指摘しています。

イスラエル外務省はこのIAGS決議について「ハマスのうそ」とお粗末な研究にもとづくもので、「法曹関係者の恥だ」と非難しました。外務省報道官はさらに、ジェノサイドの被害者はイスラエルそのものだと反論しました。

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IAGS Resolution on the Situation in Gaza / IAGS(pdf)

イスラエルによって子供5万人が殺害もしくは負傷させられたと国連児童基金(ユニセフ)が報告していることにも言及し、これはガザのパレスチナ人が集団として生存し、再生する能力に影響を与えるとしています。決議はさらに、イスラエル政府幹部らがガザからパレスチナ人全員を強制的に追放することを支持している点や、同地域の住宅のほぼ全てを破壊したことも強調しました。

8月には、国連が支援する総合的食料安全保障レベル分類(IPC)が、ガザ地区の一部での食料不安状況を最も深刻なレベルの「フェーズ5」に引き上げました。これは、壊滅的飢餓または飢饉(ききん)が起きていることを意味します。イスラエルは、食料や医療支援の搬入を制限することで飢饉を引き起こしたと非難されています。

イスラエルはガザ地区に入るためのすべての検問所を管理しています。そのため国際法上、イスラエルは占領国としてガザ地区内の民間人の生命を保護する責任を負い、責任の中には飢餓の防止も含まれています。

Casualties in Gaza Strip
パレスチナ人、遺体袋、ガザ地区、2023年10月 / Wikipedia

パレスチナ・ガザ地区でイスラエル軍によるジェノサイド(集団殺害)が続くなか、住民たちは深刻な水不足に追い込まれています。先週には南部ハンユニスで国境なき医師団(MSF)の給水トラックに集まった人びとが銃撃を受け、少女1人が重傷を負っています。水を求める行為そのものが命懸けになっている状況です。現地のMSF活動責任者、ヘレン・オッテンス=パターソン(Helen Ottens-Patterson)氏は「水を求めるたびに命が危険にさらされている。こんな事態は許されない」と訴えます。

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