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FPV_drone

ウクライナの FPVドローンによるクモの巣作戦(Operatsija “Pavutyna”)

ウクライナの大胆なクモの巣作戦(英: Operation Spider’s Web, 宇: Операція «Павутина», romanized: Operatsija “Pavutyna”)は、ウクライナ保安庁(SBU)がロシアの軍用飛行場5ヶ所にFPVドローンで攻撃を行ない、戦略爆撃機Tu-160Tu-95Tu-22M、そして早期警戒管制機A-50など合計41機の機体に打撃を与えたとしています。主要な軍用飛行場にある戦略的巡航ミサイルを搭載できる機体の34%に被害を与え、「航空戦力への壊滅的な打撃だ」と強調しています。

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Ukrainian Security Service, via Telegram / The New York Times

6月2日、ウクライナ保安庁は推定70億ドル(約1兆円)の損害を与えたとする「クモの巣作戦」の詳細について発表しました。この作戦は1年半以上かけて準備されました。攻撃に使われたのは、カメラの映像をみながら遠隔操作できるFPVドローンです。合計117機のドローンと移動式の木造住宅をそれぞれロシア国内に秘密裏に輸送し、その後に木造住宅の屋根にドローンを隠してトラックに積んだということです。攻撃の際には、屋根を遠隔操作で開けてドローンが標的を攻撃する高度な作戦だったとしています。

ゼレンスキー大統領は、「遠隔操作はオープンソースソフトウェア「ArduPilot」を使用し、ロシア国内の携帯電話ネットワークを通じて行われた」と明らかにしています。ウクライナの情報筋によると、ロシア領内で作戦を準備していた工作員は、攻撃開始前には避難したということです。

SBU hromadske
Підготовка дронів, які СБУ використала для спецоперації
Надано hromadske

117機のFPVドローンは、オレニャ(Olenya airbase)、ベラヤ(Belaya air base)、ディアギレヴォ(Dyagilevo air base)、イヴァノヴォ・セヴェルヌイ(Ivanovo Severny air base)、そしてウクラインカ(Ukrainka air base)の5つのロシア空軍基地を標的にしました。

米ニューヨークタイムズは、ビデオと衛星画像の分析により、オレニャ空軍基地とベラヤ空軍基地の少なくとも2つの飛行場に駐留していた戦略爆撃機が破壊されたとしています。ロシア国防省によると5つの地域の空軍基地を標的とし、3カ所への攻撃は撃退されたとしています。

下記動画では、オレニャ空軍基地を攻撃している様子が解ります。操縦ソフトウェア(ArduPilot)の画面録画には、煙を上げる2機のTu-95爆撃機の横をドローンが飛行する様子も映っています。

Babr Mash, via Telegram

下記の動画には、ベラヤ空軍基地への攻撃が始まった際にドローンを操縦するソフトウェアの録画があります。映像には、ドローンが基地上空を少なくとも6機の航空機の列に向かって飛行し、その後ツポレフTu-95爆撃機に向かって降下する様子が映っています。

Ukrainian Security Service, via Telegram

下記動画には、近くの大型トレーラーの荷台に搭載されたモジュール式住宅に偽装したコンテナから2機のドローンが飛び立つ様子が映っています。ドローンは4マイル(約6.4km)足らず離れたベラヤ空軍基地から立ち上る煙に向かって飛行しています。

Babr Mash, via Telegram
同日遅くに撮影された動画には、コンテナが炎上し、その蓋が近くの地面に横たわっている様子が映っています。ウクライナ当局は月曜日(6/2)の声明で、ドローンを輸送していたコンテナはドローンが発射されると自爆するように仕掛けられていたと述べています。

Babr Mash, via Telegram

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