AV-8B ハリアーII(AV-8B Harrier II)は、マクドネル・ダグラス(現ボーイング)社が主体となって開発した垂直/短距離離着陸機です。ホーカー・シドレー(現BAEシステムズ)が開発したハリアーをもとにした発展型であり、1985年8月からアメリカ海兵隊で攻撃機として配備が開始されています。ハリアーIIも老朽化・陳腐化が進んだことから、後継としてF-35Bが導入され、2026年中にすべて退役する予定です。キャメロン監督の1994年公開映画トゥルーライズの「ハリアー II」登場シーンは秀逸です。
- Mile High Harrier: Iconic ‘jump jet’ lands at Wings Over the Rockies(8/1 Wings Over the Rockies)

8月2日、米コロラド州にあるウィングズ・オーバー・ザ・ロッキーズ航空宇宙博物館(Wings Over the Rockies Air and Space Museum)は、アメリカ海兵隊に所属していた、史上最もユニークな航空機の一つである AV-8B「ハリアー II」が、博物館に展示されるまでの過程を収めた動画をYouTubeに公開しました。
この動画は、この非武装化の様子から始まっており、射出座席の作動に使われる火薬類や、キャノピー分離用の爆薬など、すべての爆発物が取り外される様子が映されています。その過程では、キャノピーや射出座席が実際に取り外される、非常に珍しい映像も収録されています。
ジェームズ・キャメロン監督の映画トゥルーライズ(True Lies)は、1994年公開の米国映画、スパイ映画です。ロサンゼルス・マイアミを舞台に、アーノルド・シュワルツェネッガー扮する凄腕のスパイが、その身分を家族に隠しながら、テロリストと戦う姿をコメディタッチで描く面白いアクション映画です。
1991年のフランス映画『La Totale!』を見て気に入ったシュワルツェネッガーが、ジェームズ・キャメロンにリメイクを持ちかけて製作されています。
- La totale !(IMDb) Ratings: 6.2

アメリカ海兵隊第223攻撃飛行隊(VMA-223)「ブルドッグス」のハリアーIIが2機登場し、テロリストの車列に機関砲を発射し車両を破壊し、車列の通過している橋をAGM-65 マーベリック空対地ミサイルで破壊するほか、主人公のハリー・タスカーが、支援に訪れた同隊の機体を借りる形で搭乗します。また、終盤でホバリングしている機体の上でアクションシーンが展開されます。撮影には実物大の模型とともに、アメリカ海兵隊の協力で実物が使用されています。
この映画は、製作総費用が1億ドル(約150億円)を突破した、米国映画史上最初の作品です。ハリアーIIのレンタル代は無料だったそうですが、燃料代が一時間につき15,000ドルもかかってしまう上に、地面がジェット排気の熱で溶けるのを防ぐための着陸パッドの製作などで、ハリアーII関係の費用は総額50万ドル(約7,500万円)以上に達したそうです。
- True Lies(IMDb) Ratings: 7.3