悪魔の発明(Face au drapeau)は、ジュール・ヴェルヌが1896年に発表したヴェルヌ最後の名作SF小説です。1950年代、チェコスロバキアのアニメーターで特撮映画監督のカレル・ゼマンによって「Vynález zkázy」(致命的な発明/破滅的な発明の意)として映画化され、日本でのタイトルは直訳の「悪魔の発明」として紹介されました。
主人公の発明家トマ・ロックは、新型の爆弾を発明して「ロック式電光弾」と名前をつけます。
世界各国に売りつけようとしましたが、断られ続けます。
発狂して精神病院に入れられていたロックは、世界征服を企んでいた大海賊ケル・カラージュに誘拐されます。
海賊船はバミューダの無人島バック・カップ島の秘密基地に到着します・・・。
大量破壊兵器の開発や、国際テロリズムなど現代的なテーマを予見していた名作映画です。
カレル・ゼマン(Karel Zeman, 1910年11月 – 1989年5月)は、ヴェルヌの小説に深く影響を受け、1955年から1970年にかけて4本の長編映画を制作、ヴェルヌの「驚異の旅」シリーズを広範囲に映像化しています。
この映画では、フランスの先駆的な映画監督ジョルジュ・メリエスのスタイルにも敬意を表しています。ゼマンはおそらくプラハのチェコ国立映画アーカイブでメリエスの作品を見たと思われます。しばしば「チェコのメリエス」とも呼ばれていました。
1910年、ボヘミアのオストロメールに生まれ、デザイナーやPR映画製作を経て人形アニメの国立スタジオに所属し、アニメーションの仕事を始めています。
晩年はカナダで切り紙アニメーションの指導や、児童映画祭の委員長を務めています。
- 悪魔の発明:Vynález zkázy(IMDb) Ratings: 7.5
主に1896年の小説「悪魔の発明(原題:国旗に向かって)」に基づいており、実写俳優とさまざまな形式のアニメーションを組み合わせることで、ヴェルヌ作品オリジナルのイラストを彷彿とさせます。(1:18:10 / en字幕版)
- Muzeum Karla Zemana(Facebook)楽しいイラスト満載!
- Muzeum Karla Zemana(Website) 映画スタジオとして構想 Google Maps