11月19日、航空機エンジン製造の英ロールスロイスは、開発した全電動航空機スピリット・オブ・イノベーション(Spirit of Innovation)が最高時速387.4マイル(約623キロ)を記録したと発表しました。全電動航空機による世界最速記録としての承認を国際航空連盟に求めています。
- ‘Spirit of Innovation’ stakes claim to be the world’s fastest all-electric vehicle(11/19 Rolls-Royce)
- 「世界最速」の全電動航空機を開発、最高時速623キロ 英ロールスロイス(11/21 CNN)
最高速度の新記録のほかに、英ウィルトシャーにある英国防省の軍用機試験飛行場で 9.32マイル(約15キロ)の距離を飛んだ記録では、従来の記録より時速182マイル速い時速331マイル(約533キロ)を記録しています。
ロールスロイスが主導する全電動航空機の開発は、飛行分野の電動化を加速させる事業(Acceleratingthe ElectrificationofFlight: ACCEL)の一環で、英航空宇宙技術研究所(ATI)や、英ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)などが資金を提供しています。
ロールスロイスによると、同機の動力源は出力400kwの電動パワートレインと、航空機用としては最も高密度とするバッテリーパックとなっているとしています。
ATIのCEO Gary Elliott氏は、ACCELプロジェクトへの関与について、航空分野をより持続可能なものにする方法の1つとしています。国連のRace to Zeroキャンペーンに参加してから1年後の6月に、炭素排出量ネット・ゼロへの行程を発表しました。新しい製品は2030年までにネット・ゼロを適用し、2050年までにすべての製品をネット・ゼロに対応させる予定です。
- ロールス・ロイス全電動航空機「スピリット・オブ・イノベーション」初飛行(9/17 Rolls-Royce)
The first flight for Rolls-Royce all-electric plane ‘Spirit of Innovation’ flown at Boscombe Down on Wednesday 15th of September 2021. A key milestone in the ACCEL project for the team as they gear up to the world record attempt later this year.