8月19日、米TwitterとFacebookは、中国が香港の抗議活動を弱体化させるため、偽のアカウントを使ったとして批判しました。両社は、国家が支援する中国本土からの情報操作をできないようにしたと明らかにしました。Twitterは、936件のアカウントを削除して、別の20万ものアカウントについて「先を見越して」凍結したということです。Facebookは、7つのページ、3つのグループ、5つのアカウントを削除したということです。
米Googleも、香港で続く抗議活動に関する映像を組織的に投稿していたとして、中国当局の関与を確認した210のYouTubeチャンネルを閉鎖しています。<追記:8/23>
- YouTube Disables 210 Channels That Spread Disinformation About Hong Kong Protests(Aug. 22, 2019 The New York Times)
- ツイッターとFB、香港デモ妨害の「中国関連」アカウントを削除(BBC News Japan)
中国政府はかねてから、香港のデモを暴力的で外国政府が扇動していると非難しています。国営メディアも背景は伝えず、警察との衝突や暴徒、暴動といった言葉を用いて、暴力行為を強調しています。
中国国営メディアは、深セン市の近隣に集った中国人民武装警察の映像を流し、国務院港澳(香港・マカオ)事務弁公室の楊光報道官が12日、「香港の過激なデモ参加者は度々危険な道具を使用して警官を攻撃し、テロの兆しも示し始めている」とした発言を拡散。中国政府による香港デモ弾圧の可能性を念頭に、国民へ心構えをさせるためのものだとの声が一部で上がっています。
中国本土では Googleはブロックされているので、最も利用されている検索エンジン「百度(バイドゥ)」で検索してみると、国営メディアや国内新聞、通信社が報じる「香港関連ニュース」が表示されますが、海外メディアの香港ニュースはシャットアウトされています。
- 「香港」ニュース検索(百度 / baidu.com)
8月17日午後、47万を超える香港市民が金鐘(アドミラルティ)の添馬公園(タマル公園)で「暴力反対、香港を救おう」と訴える集会に参加し、暴力に反対し平和・安定を呼びかける多くの市民の声を伝えました。
- 香港で「暴力反対、香港を救おう」集会 市民47万人以上が参加(8/19 人民網日本語版)
反政府デモが続く香港ではこの週末も強い雨の中で多数の市民が再び集結し、抗議活動が行われました。主催者の民主派団体「民間人権陣線」は、170万人余りがデモに参加したと発表。6月16日の200万人抗議デモに次ぐ規模になっています。警察側は今回の人数について、ピーク時で12万8,000人と推計しています。
- 「香港デモ」ニュース検索(Google)
- 「Hong Kong」ニュース検索(Google)
- 【解説】 香港デモ:中国本土ではどう報じられている?(BBC News Japan)