「歴史を見ると危機の時には社会が真に変革できるのです」と環境教育者のセヴァン・カリス=スズキ(Severn Cullis-Suzuki)さんは言います。およそ30年ほど前、まだ12歳だった彼女は、地球環境が危機に陥ることがないようにと願いながら国連環境開発会議(地球サミット)でスピーチをしました。(日本語字幕付YouTube)
サミット参加者の中には耳を傾け、革新的な行動を起こした人もいましたが、その他の人々の念頭にはビジネス、政治、経済成長の推進しかなかったのです。いま、カリス=スズキさんは COVID-19危機が明らかにした新たな未来への警告を示し、気候変動に対して自分たちの言葉通りの行動を起こすよう我々に促しています。
- 子どもたちの声に耳を傾けましょう -「国連環境開発会議」(地球サミット)におけるセヴァーン・スズキさん(カナダ)によるスピーチ(1992年6月、ブラジル、リオデジャネイロ)(国連広報センター/UNIC Tokyo)
当時(1992年)、気候変動は認知されてはいたものの、まだ実感する事はありませんでした。およそ30年経った現在では、気候変動はもはや予測ではなく、現に起きていることで専門家の予測よりもずっと早く発現しました。気候変動を止められなかったのです。いま我々がすべきことは、緩和策であり、悪化の程度を抑えることです。
このリオの国連環境開発会議の成果として発表された声明や文書に「国連気候変動枠組条約」もあり、大気中の温室効果ガス濃度を安定化させ、気候システムへの危険な干渉を防ぐことを定めていました。パリ協定の23年前に、154ヵ国が法的拘束力のある国際条約に調印したのです。
セヴァンさんは「なぜ世界は行動しなかったのでしょうか? その代わり、どの政府も経済の成長や、ビジネス上の利益や、次の選挙での勝利しか 考えていませんでした」と語ります。
いま、私は母親であり2人の男の子がいます。親である人たちに言いたいです。我々の世代が子供たちの未来を左右するのです。我々には10年があり、まだ変化を起こせます。10年で排出量を半分にするのです。子供たちに愛を示す本当の方法は、自分の言葉通りに行動を起こす事です。
いまこそ取りかかる時です。ありがとうございました。
- TED Speaker/TED Attendee: Severn Cullis-Suzuki(Environmental educator)
- 気候に対して自分の言葉通りの行動を起こそう:セヴァン・カリス=スズキ(TED.com) 日本語字幕を読めます。
- severncullissuzuki.com(Website)