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気候変動に立ち向かえるスーパー植物とは(TED: Joanne Chory)

植物は驚くべき「機械」である ― 何百万年もの間、植物は空気中の二酸化炭素を吸収して地下に収蔵し、世界の気候を保っていたのですから。
植物遺伝学者のジョアン・コリー(Joanne Chory)氏は、この特別な能力を拡張すべく研究を進めています。ソーク植物/分子・細胞生物学研究所の同僚たちとともに、コリー博士はより多くの炭素を地中深くに何百年も保持できる植物を作り出そうとしています。こうした過給植物が気候変動を緩やかにするのに、どう貢献できるのか、見ていきましょう。
— この大胆な計画はAudacious Projectという、世界的な変革を生み出し、投資するTEDのプロジェクトの一環です。–

スベリン(Suberin) / How supercharged plants could slow climate change | Joanne Chory

植物や光合成細菌は光合成能力が非常に高く、人間の活動で生み出される二酸化炭素の20倍以上を処理できるのです。ですから、私たち人間が排出量の削減などをあまりできていないにしても、光合成生物である植物には十分に対応する力があるのです。しかし、植物は二酸化炭素のほとんどを糖に変えたがります。生長期が終わりを迎えて、植物が枯れて分解されると、大気中から二酸化炭素を取り出すことで生み出された炭素から成る有機物質が、今度は二酸化炭素となって大気中に戻ってしまいます。

では植物が取り出した二酸化炭素を、もっと安定したものに作り変えるにはどうしたらいいのでしょう? そこで分かったのは、植物がこちらの物質を作ることです。スベリン(Suberin)と言います。あらゆる植物の根に自然に含まれる物質です。スベリンのすごいところは、ご覧いただくと 分かると思うのですが、黒い点の部分は炭素です。この分子に何百という炭素原子が含まれています。ところどころ見える赤い点は酸素です。微生物は植物を分解する際に、酸素に引き寄せられますから、スベリンは炭素が分解されずに残る完璧な仕組みなのです。

シンプルなことを3つ覚えて帰ってください。先ず、植物に通常よりも多くのスベリンを作らせる必要があります。能力を強化する必要があるということです。次に、植物にもっと多くの根を作らせる必要があります。根が多ければもっと多くスベリンを作れます。スベリンが蓄積しやすい細胞が増えるからです。3つめ、植物にもっと深く根を張らせる必要があります。

スベリンを増やし、根を増やし、深く根を張らせること、これらの形質をひとつの植物に集めたいのです。簡単にできますし実現するつもりです。というか、すでにモデル植物のシロイヌナズナで始めています。このモデル植物だと、大きな植物よりも速く実験が進むのです。欲しい形質をすべて兼ね備えた植物が完成し、この品種でより多くのスベリンを作れるようになったらこれを応用します。これも実現可能で、すでに実現されつつあります。

最後にコリー博士は、「植物は私たちのために成し遂げてくれるはずです。少し手助けしてやるだけでいいのです。そうすれば、人類のために金メダル級の活躍をしてくれます」と述べています。

How supercharged plants could slow climate change | Joanne Chory

(クリス・アンダーソン)ものすごい偉業ですね。確認させてください。あなたが今後10年間で世界に提供しうるのは、小麦かコーンか米なのか – 主要な農作物の種子で、農家が収穫量を減らすことなく、現在の3倍、4倍以上の炭素を隔離できるものだというのですね?

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