最近、ベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin / 1706年 – 1790年)福澤諭吉(Yukichi Fukuzawa / 1835年 – 1901年)の自叙伝を読みました。
自伝/伝記は、立身出世の誇張された話が多いのではとの先入観や、個人崇拝的であまり好きな分野ではありませんでした。
昨年、伝記「スティブ・ジョブス」を読んで時代背景や産業の発展、企業経営などが透けて見え、意外に面白いのかもと思うように・・(^^)
日米のロングベストセラーで、共通点が多い面白そうな二人の自伝を読む事に・・(^^)
フランクリンは、政治家、外交官、著述家、物理学者、気象学者としてアメリカ独立に多大な貢献をしています。
福澤諭吉は下級藩士で、蘭学者、著述家、啓蒙思想家、教育者として幕末から明治維新以後の日本近代化に中心的活動と貢献をしています。
二人の人生は一世紀以上も違うのですが、アメリカ独立戦争と明治維新という国家激動の時代を生きたことでは共通しています。
「フランクリン自伝」からは、フランクリン自身の努力とともに植民地時代のアメリカ人(イギリス移民)の考え方や学問、宗教との関係、フランクリンの十三徳などの近代思想が分かります。
「福翁自伝」からは、200余年の鎖国からどうやって近代化するか、諸外国に渡航して欧米思想や教育制度を学びながら実践した、日本近代思想の背景が分かります。
二人とも合理主義者で、社会貢献や起業家精神に富むことも共通しています。福澤諭吉は特にベンジャミン・フランクリンを尊敬していたようです。
福澤諭吉の有名な言葉は、自書「学問のスゝメ」冒頭に「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずと言えり」と記述されており、アメリカ独立宣言書を和訳した言葉であることが分かります。
いま必要なことは、当時の近代国家建設の精神に学ぶことのようにも思います。
- ベンジャミン・フランクリンと福澤諭吉 : 二人の自伝を読みかえして(ソシエ マリオン/SAUCIER Marion)pdfでプレビューできます。
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