12月7日、米タイム誌は毎年恒例の世界に最も影響を与えた「今年の人」に、ウクライナのゼレンスキー大統領と「ウクライナの精神」を選んだと発表しました。米タイム誌のエドワード・フェルゼンタール(Edward Felsenthal)編集長兼CEOは、「今年の選択は記憶にある限り最も明確なものだった」と述べています。ヴォロディミール・ゼレンスキー氏は、過去数10年間に見たことのない方法で世界を奮い立たせた」と評価しました。さらに、避難民の支援など「ウクライナの精神」が国内外で体現されているとして、その多くの人々の活動を称えています。
タイム紙はゼレンスキー氏がロシアの侵攻後も国外に脱出せず、オンライン演説など「デジタル時代の武器を使いこなし、世界中のビジネスリーダーや政治家に声を上げさせた」と指摘します。さらに、ウクライナ国旗の青と黄が「東京から米オハイオ州に至るまで建造物を照らし出した」と、世界に与えた影響の大きさを挙げています。
ゼレンスキー氏以外がウクライナを率いていれば、「(首都キーウに)ロシアの旗が翻っていたかもしれない」と分析します。また、避難民の支援など「舞台裏で戦った多くの人」によって「ウクライナの精神」が体現されていると評価しています。ボルシチで有名なウクライナのシェフが、侵攻開始後、西部リビウの避難民に1日1000食以上の食事を無料で振るまったことや、英国の外科医がウクライナに何度も出向き、現地の医師に治療法を教えていることなどを挙げて、国内外の人々の活動を称えています。
第三次世界大戦を引き起こすことなく、ウラジーミル・プーチンのテロ(恐怖)から祖国を解放するために、彼が十分に尽力しているのかどうか疑問視する声もあります。ゼレンスキー氏自身は、彼の努力が成功につながるかどうかを判断するのは時期尚早だと認めています。彼は解放されたばかりのヘルソンを訪問、キーウに戻る途中の大統領鉄道車両で2時間にわたって会談し、「後で我々は判断されるだろう」と、タイム誌の記者サイモン・シュスター(Simon Schuster)に語っています。
最後にフェルゼンタール編集長は、「勇気が恐怖と同じくらい伝染することを証明し、自由を守るために人々と国家が団結するように促し、民主主義と平和の脆弱性を世界に思い出させた”ヴォロディミール・ゼレンスキー”と”ウクライナの精神”は、タイム誌の2022年”今年の人”に選ばれました」と締めくくりました。
My story for TIME's 2022 Person of the Year is partly about my trip with President @ZelenskyyUa to Kherson last month. On his private train, we talked about empires, Hitler and Stalin, Charlie Chaplin and Lee Kuan Yew, and a lot besides. Have a read: https://t.co/Fn7BptGrx9 pic.twitter.com/5AxBTLtdJr
— Simon Shuster (@shustry) December 7, 2022