6月21日日夜(日本時間22日午前11時すぎ)、トランプ米大統領はホワイトハウスで演説し、「米軍は、イランの三つの主要な核施設に対し、大規模な精密攻撃を行った」と述べました。B2戦略爆撃機6機がフォルドゥ(Fordow)のウラン濃縮地下工場に、「バンカーバスター」12発を、ナタンズ(Natanz)に2発を投下しました。さらにナタンズとイスファハン(Isfahan)の核施設には、潜水艦から30発の巡航ミサイル「トマホーク」で攻撃しました。
- Live Updates: U.S. Enters War Against Iran, Bombing Key Nuclear Sites(The New York Times)
- There are about 40,000 U.S. troops in the Middle East.(6/21 The New York Times)中東には約4万人の米軍兵士がいます。

- イラン核施設攻撃(Google検索)
トランプ氏は、攻撃の目的について、「イランの核開発能力の破壊と、世界最大のテロ支援国家がもたらす核の脅威の阻止だ」と訴えました。イランに対しては、「今こそ平和を築くべきだ。そうしなければ、今後の攻撃はさらに大規模になる」と警告しています。
米空軍がGBU-57大規模貫通爆弾(バンカーバスター)と呼ばれる、重さ30,000ポンド(約13,600kg)の大規模貫通爆弾を実戦で使用した初めてのケースとなっています。下記は北朝鮮が2回目水爆実験(2017年9月)のあとに地下施設への攻撃を検討したものです。
イラン原子力庁は声明を発表し、イランの3つの核施設が「核拡散防止条約を含む国際法に違反する暴力行為として、イスラム教国イランの敵によって攻撃されたことを確認した。同庁は、国際法廷で米国に対し法的措置を取ると表明し、イランの核開発計画は継続される」と述べています。また、核施設周辺の調査を行った結果、施設周辺で放射線による環境的な影響はなかったと発表しました。「施設周辺の住民への危険はない」としています。
- Nuclear program of Iran(en:Wikipedia)
イランの最高指導者アヤトラ・ハメネイ師は、通常であれば、非常事態において声明を発表するか、テレビの生放送で国民に向けて演説を行うとされています。しかし、ハメネイ師は地下壕に潜伏しており、暗殺を防ぐためすべての電子通信手段が遮断されているため、通信は制限されて困難を極めています。彼が発言するまでは、米国の核施設への攻撃に対するイランの明確な対応は不明です。
グテーレス国連事務総長は、米国によるイランへの攻撃に深刻な懸念を表明しました。「これは、既に危機的状況にある地域における危険なエスカレーションであり、国際の平和と安全に対する直接的な脅威です。この紛争が急速に制御不能に陥り、民間人、地域、そして世界に壊滅的な結果をもたらすリスクが高まっています」とグテーレス事務総長は述べました。
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