自動車メーカーの米フォード(Ford)が、ハンドルやペダル、さらにはドライバーさえも必要としない「完全自動運転車」を5年以内に完成させ、配車サービス向けに公道で稼働させることを発表しました。
フォードは量産に向けて、自動運転車で対向車や歩行者、建物などの状況や距離を立体的に認識するレーザー光センサーの大手、米ベロダインに7,500万ドル(約75億円)出資したほか、画像認識技術に強みを持つ人工知能(AI)ベンチャーのサイプス(イスラエル)を買収しました。
2015年1月、シリコンバレーの中心地パロアルト市内に研究拠点を開設。現在は研究者や技術者などが130人いますが、17年末までにデザイナーや新規事業開発の担当者を含め260人に倍増します。
フォードのフィールズCEOは、自社で「無人タクシー」サービスを手がけるのか、米Uberのような既存事業者に車両を供給するのかについては明言を避けました。
また「自動運転車のインパクトは、フォードが100年前に始めたベルトコンベヤーによる自動車の大量生産に匹敵する。この変化の一部は我々がリードする」と語っています。
米国では自動運転車の実用化に向けて、連邦政府や各州レベルで法的な枠組みをどうするのか議論が進んでいます。完全自動運転車の開発は Googleが先行しています。自動車メーカーでは独BMWが7月に21年までの完全自動運転技術導入に向けて米インテルなどと提携。完成車メーカーの間でも開発競争が加速しています。
ハンドルやペダルのない「完全自動運転車」は、NHTSAのレベル4、SAEインターナショナルではレベル5に相当します。日本政府や米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)では自動化のレベルを以下のように定義しています。
- 自動運転の定義(Wikipedia) レベル0からレベル4
- 世界の開発状況:日本(Wikipedia)
- FORD TARGETS FULLY AUTONOMOUS VEHICLE FOR RIDE SHARING IN 2021; INVESTS IN NEW TECH COMPANIES, DOUBLES SILICON VALLEY TEAM(Ford Motor Company Media Center)