FarmVille(日本版ファームビレッジ)などのゲームで知られるジンガは1日、10億ドル(約810億円)規模の新規株式公開(IPO)を申請しました。
ZyngaのIPO資料によると、2010年の売上高は前年比ほぼ5倍の5億9750万ドル。純損益は9060万ドルの黒字と過去最高を記録しています。
Zynga(ジンガ)は、マーク・ピンカス(Mark Pincus)氏が2007年に創業したサンフランシスコを本拠とするフェースブック向けゲーム開発の最大手。4つの人気タイトルを持ち、利用者数はライバル社の8倍、圧倒的に優位です。しかし、ジンガの1-3月(第1四半期)売上高の2億3540万ドルの「ほぼ全て」がフェースブック関連のため、同社の方針がジンガの将来を大きく左右しかねず、投資家を不安にさせる可能性もあります。
同社はアップルの iPhone や iPad 、Androidスマートフォン、ヤフーのサイト向けにゲームを開発しているものの、フェースブック以外では利益獲得に苦戦しています。
IPO資料にリスク要因として「フェースブックとの関係が悪化することがあれば、事業に悪影響を及ぼす恐れがある」と記述。
具体的には、フェースブックによるゲーム開発業者のアクセス制限、サービス条件の変更、ジンガのライバル企業の優遇、フェースブックによるゲームの自社開発の可能性などを挙げています。
Wall Street Journalは、このところ市場はネット関連企業のIPOに沸いていると伝えています。5~6月には、ビジネス向けSNSサイトの米LinkedInやインターネットラジオの米Pandora Mediaなどが上場したほか、クーポン共同購入サイトの米GrouponもIPOの申請書を提出しています。また2012年初めにもIPOを実施すると言われているFacebookをめぐって、投資家のあいだで熱気が高まっているようです。
- ジンガ社が上場申請 経営の全容が明らかに(7/4 The Wall Street News/志茂真奈美)
- 「ソーシャルメディアを生んだ国」日本をもっと評価しよう(7/5 The Wall Street News/福山万里子)
- Zyngaタグ(Nobuyuki Kokai)