アマゾン熱帯雨林(英: Amazon Rainforest、西: Selva Amazónica、葡: Floresta Amazônica)は、南米大陸アマゾン川流域に大きく広がる、世界最大面積を誇る熱帯雨林です。NASAは、衛星を使用して地球の火災活動を追跡していますが、アマゾンで2019年に発生した「火災の数」と「火災の強度」の増加を確認しており、2010年以降、この地域で最も活発な火災の年になっているとしています。
- Uptick in Amazon Fire Activity in 2019(Earth Observatory NASA)
- 2019 Amazon rainforest wildfires(en:Wikipedia)
NASAは「過去に干ばつが火災の悪化に大きな役割を果たしてきましたが、2019年の乾季の早い段階での火災検知のタイミングと場所は、地域の干ばつよりも土地開拓と一致している。」としています。
アマゾン熱帯雨林の火災は、カリフォルニアやオーストラリアなどの山火事に比べて、自然発生する可能性ははるかに低いと言います。INPEの Alberto Setzer氏は、アマゾン川流域での山火事の99%が、故意または偶発的な人間の行動の結果であると推定しています。
8月20日、ブラジル国立宇宙研究所(INPE)は、2019年1月以降、アマゾンの熱帯雨林で39,194の火災を検出したと報告しました。これは、2018年の同時期からの火災件数が77%増加したことになります。ブラジル全体では、2013年以降最多となる森林火災79.513件が発生(2018年比で83%増加)のデータ(INPE)があります。
アマゾンの開墾・開発に前向きなブラジルのボルソナロ大統領は、当初「私や政府への反発を招こうとするNGO関係者の仕業とみられる」と主張しました。火災は政府の支援打ち切りで資金難に陥るNGOによる「放火」と決め付け、予算不足などを理由に対応に後ろ向きな姿勢を見せました。
しかし、「盟友」トランプ米大統領からも支援の申し出を受けるなど、予想外の事態に慌てたボルソナロ氏は、火災の背景に「異常な乾燥」があると方向転換しています。「国民には生活向上の機会を与えなければならないが、環境への犯罪は許されない」として、軍を投入して消火と焼き畑などの防止に当たると宣言しています。
世界自然保護基金(WWF)は、2030年までに、最大でアマゾン熱帯雨林の60%が破壊され、この影響で二酸化炭素の排出量が555億トンから969億トンに増える可能性があることを報告しています。
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