世界経済フォーラム(WEF)が、4月30日に公表した「仕事の未来レポート2023」によると、今後5年間で約4分の1の仕事が変化すると予測されています。2027年までに約6,900万人分の雇用が創出される一方、8,300万人分の雇用が消滅し、その結果、現在の雇用の約2%が純減します。グリーン・トランスフォーメーション(GX)とサプライチェーンの現地化が仕事の純増につながり、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の拡大により、仕事は増える一方で失われる仕事とのオフセットはより大きくなると予測されています。また、リスキリング革命の緊急性が高まるとしています。
- 「仕事の未来レポート2023」 今後5年間で最大4分の1の仕事が変化すると予想(4/30 WEF)
世界経済フォーラム パブリック・エンゲージメント・リード 栃林直子 - The Future of Jobs Report 2023(4/30 WEF日本語版) English
急成長する職種は、AI・機械学習スペシャリスト、サステナビリティ・スペシャリスト、ビジネスインテリジェンス・アナリスト、情報セキュリティ・スペシャリスト。また最大の成長分野は、教育、農業、デジタルコマースが見込まれています。
最も急速に成長している仕事は、テクノロジーとデジタル化によってもたらされています。ビッグデータは、仕事を創出すると見られるテクノロジーの中でトップに位置し、調査回答者の65%が関連する役割の雇用増加を期待しています。データアナリストや科学者、ビッグデータ、AI・機械学習、およびサイバーセキュリティ・スペシャリストの仕事は、2027年までに平均30%増加すると予想されます。
AIやビッグデータを活用するための労働者の育成は、調査対象企業の42%が今後5年間に優先的に取り組むとし、分析的思考(48%)、創造的思考(43%)に次ぐ重要度を示しています。(重要なスキルトップ10)
デジタルコマースは、仕事の絶対的な増加にもつながります。eコマース、デジタル・トランスフォーメーション、デジタル・マーケティングと戦略のスペシャリストなど、約200万人の新しいデジタル対応の役割が予測されています。同時に、最も早く減少する役割もテクノロジーとデジタル化の影響を受けており、銀行窓口係、レジ係、データ入力係などの事務職や秘書の役割が最も早く減少すると予想されています。
機械学習エキスパートのゴールドブルーム氏は、各々の仕事の未来の運命は「ある1つの問への答え」にかかっていると言います。それは、「高頻度多量データ処理に還元できる部分がどの程度あり、前例無き状況への対応を求められる部分がどの程度あるのか?」です。高頻度多量データ処理については機械はどんどん賢くなっていきます。