米ノースカロライナ州のローンデールという小さな町に住む、ホームレスの女子高生ドーン・ロギンス(Dawn Loggins / Linkedin)さんに、ハーバード大学から合格通知が届きました。
ホームレスのロギンスさんは、高校から「生徒と用務員の二重在籍」を認めるという特例を受け、放課後に校舎の清掃で生活費を得ながら高校生として勉学してきました。
ハーバード大学への合格は、地元のバーンズ高校(Burns High School)としても開校以来初めての快挙となりました。素晴らしいニュースとして、全米メディアが取上げています。
現在18歳のロギンスさんは、両親の破綻と失踪で住む家もなく、貧困とドラッグ中毒に囲まれながら育ったそうです。高校に進学した時点では、不登校が目立ち、学校も彼女を「ドロップアウト候補」とみなしていたそうです。
ですが、彼女はそこから自分の力で這い上がって行ったのです。
「私はバイオ(生物)が好きでした。バイオを極める中で何か新しい発見に関わって行きたい、それが夢になったのです。」と語っています。
ジャーナリストの冷泉彰彦さんが「Newsweek」で、ホームレス高校生を合格させる理由として、アメリカの大学が考える「合格基準としての学生像」を述べています。非常にシンプルで明快です。
(1)入学そのものが目的ではなく、入学後の学習に強いモチベーションを持っていること。
(2)授業における建設的な問題提起、教師や先行研究への知的批判、大学コミュニティでの活躍など在学中に大学に貢献できる資質であること。
(3)大学という場を活用して伸ばした能力を生かして、将来には社会的・経済的・学術的な成功者となりうる潜在能力を有していること。
- ハーバードはどうしてホームレス高校生を何人も合格させるのか?(冷泉彰彦/Newsweek)