6月16日、香港では「逃亡犯条例」改正案の完全撤回や林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官の辞任を求めて、200万人もの住民が抗議デモに参加し主要道路や脇道を埋め尽くしました。15日に中国本土への容疑者引き渡しを可能にする条例改正案の審議を停止しましたが、市民の怒りは収まっていません。
長官が審議延期を発表した後でも、抗議デモの参加者は大幅に増加しました。
先週のデモについて主催者は100万人が参加したと発表しましたが、警察は24万人だったと発表しています。主催者によると、今回のデモには香港の住人750万人のうち4人に1人余りが参加したとしています。警察はデモ参加者を33万8,000人と発表しましたが、ピーク時の主なルートだけで、脇道を計算に入れていないことを認めています。
1997年7月1日、英国から中国への返還(主権移譲)。香港特別行政区政府が発足以降で最大の抗議デモに膨れあがっています。今後、当局が抗議活動の現場で、あるいは政治面でどう対応するかが焦点となっています。
6月16日夜に林鄭行政長官は市民に正式に謝罪する声明を発表。「極めて誠実かつ謙虚に批判を受け入れ、市民への奉仕を改善させると誓う」と述べています。林鄭氏を支持する中国指導部が通常行使する強硬手段と比べると、審議停止の決定自体が異例な措置と言えます。
- 香港で200万人デモ、条例改正案完全撤回求め-行政長官は陳謝(Bloomberg)
- ‘They’re kids, not rioters’: new generation of protesters bring Hong Kong to standstill(The Guardian)
- 香港の条例改正案関連ニュース(Google)