英国のロンドン自然史博物館などの研究チームは、2億2,500万年前(後期三畳紀/ノーリアン)に生息していた世界最古の哺乳類(Brasilodon quadrangularis)が、歯の化石の記録調査で見つかったと発表しました。小さな哺乳類は最古の恐竜の一部と同時に存在し、体長約20cmで2組の歯を持つ小さなトガリネズミというモグラのような小型哺乳類に似た姿をしています。
- Earliest known mammal is identified using fossil tooth records(9/6 The Natural History Museum)
- 世界最古の哺乳類、2億2500万年前に生息 歯の化石調査で発見(9/7 CNN)
「Brasilodon quadrangularis」と命名された哺乳類は、体長は20cmほど。生息していたのは最古の恐竜と同じ約2億2,500万年前で、これまで最古の哺乳類と思われていたモルガヌコドンより2,000万年ほど古いそうです。
この研究はロンドン自然史博物館とロンドン大学キングス・カレッジ、ブラジルのリオグランデ・ド・スル州連邦大学(UFRGS)の研究チームが学術誌に発表しました。
- Diphyodont tooth replacement of Brasilodon—A Late Triassic eucynodont that challenges the time of origin of mammals(9/5 Journal of Anatomy)
ロンドン自然史博物館のマーサ・リヒター博士(Dr Martha Richter)によると、Brasilodon quadrangularisは当初、進化した爬虫類だと思われていましたが、歯の化石を調べた結果、「間違いなく」哺乳類だったことが分かったそうです。
爬虫類の場合は一生を通じて何度も歯が生え変わりますが、哺乳類の歯は乳歯と永久歯の2種類しかなく、この Brasilodonには乳歯と永久歯があったそうです。生息地は現在のブラジルの最南端。「最古の恐竜の陰で穴を掘って生きていた非常に小さな哺乳類だった」とリヒター博士は解説しています。