12月9日、OpenAIによる待望の動画生成AI「Sora」が公開されました。しかし11月26日、アーティストらが、公開前のSoraを“流出”させる騒動が起きていました。この騒動を受けて公開に踏み切ったのか? OpenAIは公式のコメントをしていません。生成AIは、著作権やバイアスにかかわるさまざまな倫理的問題が未解決のままであり、たびたびアーティスト達から批判されてきました。アーティストからの言葉「親愛なるAI企業の重役の皆様」をお読みください。
- OpenAIの動画生成AI「Sora」の“流出”と、アーティストたちの言葉(12/11 Wired.jp)
- DEAR CORPORATE AI OVERLORDS(11/26 openletter.earth)
DEAR CORPORATE AI OVERLORDS(原文)
2024年11月26日(下記訳文はWired.jpから)
┌∩┐(◣_◢)┌∩┐ 親愛なるAI企業の重役の皆様 ┌∩┐(◣_◢)┌∩┐
わたしたちはアーリーテスター、レッドテスター、クリエイティブパートナーになるという約束のもと、Soraへのアクセス権を得ました。しかし、実際には、Soraがアーティストにとって便利なツールであると世界に伝えるための「アートウォッシング(Artwashing)」に誘い込まれているだけだと考えています。
アーティストは、無給の研究開発者ではありません。
☠️ わたしたちは、無給のバグテスター、広報用の操り人形、トレーニングデータ、検証トークンではありません☠️
何百ものアーティストが、1,500億ドルの価値をもつ企業のために、バグテスト、フィードバック、プログラムの実験作業といった無償労働を提供しています。何百ものアーティストが無償で貢献している一方で、競争を通じて選ばれた少数のアーティストだけが、Soraで制作した作品を上映されることになります。その報酬は最低限のもので、OpenAIが得るPRやマーケティングの価値と比較すると見劣りします。
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非正規化 10億ドル規模のブランド アーティストを無報酬で搾取し、研究開発と広報活動を行なう
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さらに、共有する前にすべての成果物をOpenAIチームが承認する必要があります。このアーリーアクセスプログラムは、創造的な表現や批評というよりも、むしろPRや広告に重点を置いているように見えます。
[̲̅$̲̅(̲̅ )̲̅$̲̅] 企業によるアートウォッシングが発覚 [̲̅$̲̅(̲̅ )̲̅$̲̅]
わたしたちは、このツールをリリースすることで、300人ほどのアーティストに提供されたものと同じ機会を皆さんに提供したいと考えています。それは、このツールへの無制限かつ無料のアクセスです。
芸術のためのツールとしてのAI技術の利用に反対しているわけではありません(もし反対しているなら、おそらくこのプログラムに招待されることはなかったでしょう)。同意できないのは、このアーティストプログラムの展開方法と、ツールが一般公開される前にどのようなかたちになっているかということです。OpenAIがよりオープンになり、アーティストにとってより使いやすくなり、PRのための見せかけ以上の芸術支援を行なうことを期待して、わたしたちはこれを世界に共有しています。
アーティストの皆さんに、独占的なツールを超えたツールの利用を呼びかけています。
オープンソースの動画生成ツールは、アーティストが門前払いや商業的利益、またはいかなる企業へのPR活動からも解放され、前衛的な試みを行なうことを可能にします。また、アーティストの皆さんに、独自のデータセットで独自のモデルをトレーニングすることもお勧めします。
利用可能なオープンソースの動画ツールには、CogVideoX、Mochi 1、LTX Video & Pyramid Flowなどがあります。
しかし、誰もがオープンソースのツールやモデルを実行できるハードウェアや技術的能力をもっているわけではないことをわたしたちは認識しています。そのため、アーティストに正当な報酬を支払うことを前提に、アーティストの真の表現を可能にする手段を提供してくれるツールメーカーを歓迎します。
この手紙に共感していただける場合は、こちらに署名をお願いします。
- DEAR CORPORATE AI OVERLORDS(11/26 openletter.earth)