米首都ワシントンでは今週、ウクライナが保有している実戦で検証されたドローン(無人機)技術を、トランプ政権と共有するという合意の策定に取り組んでいます。ウクライナの低コストで先進ドローン技術の見返りにロイヤリティーなどの報酬を受け取ることになります。両国の複数の当局者が明らかにしています。ドローンが戦争の常識を覆し、技術開発と量産競争が進展しています。
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- 米、ウクライナから戦場ドローン技術を取得へ(10/3 WSJ)

ロシアはウクライナの迎撃能力を上回る集中攻撃で都市部に打撃を与え、降伏に追い込もうとしています。高価な戦車による徹底攻撃や精密攻撃ではなく、安価な兵器を大量に使った長期の消耗戦で最終的に勝利を収めようという狙いです。
ウクライナはこの点を実戦から学んでいます。大半が低速のシャヘドを、ウクライナでは機動性のある対空砲部隊が撃墜しています。迎撃用ドローンやエネルギーレーザーといった、より安価な手段も主要な選択肢になりつつあります。西側諸国も大規模なドローン攻撃に耐えるには、ウクライナと同様の方策を取る必要があります。

ウクライナの秘密兵器トップ:長距離ドローン、AIタレット、光ファイバーFPV、地上ドローン / UNITED24
遠隔地にいる操縦者が飛行映像を見ながら操作するFPVドローンは、前線で活用されて戦車や砲兵隊、塹壕を安い費用で正確に攻撃できます。偵察ドローンと連携する例も多く、ウクライナ軍は標的の識別・攻撃が数分以内で可能になっています。
また、より長距離を飛ぶドローン(Liutyi)のシステムの生産拡大にも投資しています。心理的な圧力を大きくするため都市部に一斉攻撃を仕掛けるロシアとは対照的に、ウクライナは石油精製所や補給庫、軍事基地といった戦略的インフラに焦点を絞っています。

テルミット(TerMIT)は、ウクライナ国防省によって登録・承認された最新の軍用ロボットです。ウクライナのテンコア(Tencore)社が製造する低コストの多用途無人車両(UGV)は、戦場に数多く登場するようになっています。今年はその生産数が100単位から10,000単位に拡大するのにともない、戦線に大量配備が進む見通しとなっています。
- Tencore LLC(Website)
- ウクライナ軍で戦場ロボットが急増中 多用途無人車両TerMIT、年内に2000両生産(7/30 Farbes Japan)