環境問題の論客として知られ、2007年ノーベル平和賞を受賞したアル・ゴア(Al Gore)氏は、化石燃料業界の「気候リアリズム」という言説を徹底的に論破し、その誤解を招く主張と再生可能エネルギーの目覚ましい進歩を対比させます。世界中で明らかな進歩を示すデータに基づき、ゴア氏は気候危機の解決に必要なものはすべて既に備わっていると力強く主張し、最も価値のある再生可能資源とは何かを改めて問いかけます。この講演は、英語からAI翻訳による日本語音声(TED in your language)で視聴できます。
- TED Speaker/TED Attendee: Al Gore(Climate leader) Al Gore’s TED Talks
- TED in your language(TED)

パリ協定から10年が経過し、世界各国が今世紀半ばまでのネットゼロ達成を目指しています。しかし、新たな障害が立ちはだかっています。それが化石燃料業界の「気候リアリズム」という考え方です。「歴史的にエネルギー転換は時間がかかったのだから、急激な変化は不可能で適応策に集中し、開発途上国には化石燃料によるエネルギーアクセスを提供すべきだ」というものです。
しかし、ゴア氏はこの「現実性」に疑問を投げかけます。年々激しくなる干ばつ、洪水や熱波、山火事、そしてサンゴ礁の死滅や、グリーンランドの毎時3,000万トンの氷喪失、2050年までに10億~20億人の気候難民が発生する可能性など、これら地球の未来を無視することが現実的でしょうかと。
2015年以降、世界の太陽光発電の設置量は2倍に増加しました。すべての化石燃料を合わせた量です。エネルギー源としては太陽光発電が圧倒的な勝者です。EVは34倍に増加。中国における自動車販売の52%はすでにEV、そして5年以内に全自動車販売の82%がEVになります。中国は、一ヶ月間(4月)に 45ギガワットの新しい太陽光発電を設置しました。これは45基の新しい巨大原子炉に相当します。
すべてのクリーンエネルギー技術のコストは減少、特に太陽光発電コストは劇的に減少しました。さらに、実用規模のバッテリーは87%も減少しています。

化石燃料業界は二酸化炭素回収や貯留(CCS)などの技術を「解決策」として提示するなど政策決定者を惑わせています。しかし、国際通貨基金(IMF)によれば、化石燃料への4.4兆ドルの補助金を撤廃すれば、それだけで再生可能エネルギーへの移行資金を賄い、排出量を大幅に削減できます。
アフリカ大陸は世界の優れた太陽光資源の60%を有しているにも関わらず、再生可能エネルギーへの投資が極めて少ない(わずか1.6%)のが現状です。再生可能エネルギーは燃料供給リスクがなく、価格変動もありません。さらに、化石燃料に比べて投資額あたりの雇用創出は3倍に上ります。
アフリカには世界の主要な太陽光資源の60%があるため、 しかし、

国際エネルギー機関(IEA)は、この10年で排出量を半減させる技術と展開モデルがすでに存在すると断言しています。問題は技術ではなく、政治的意志なのです。
最後にゴア氏は、「政治的意志は再生可能な資源である」と力強く語ります。「気候変動対策は、もはや止められない」そして「止めてはならない人類の必然」と述べます。「気候リアリズム」という名の諦めではなく、真の現実主義に基づいて、私たちは行動し続けなければなりません。未来は私たちの手の中にあります。そして、その未来を築く力を、私たちは確実に持っているのです。ありがとうございます。(歓声と拍手)
- Why climate action is unstoppable — and “climate realism” is a myth(TED/日本語翻訳音声)
AI adapted from original English recording in partnership with Panjaya AI. Learn more.
日本語翻訳音声は上記のTEDサイトで視聴して下さい。下記はYouTube版です。