11月17日、Googleは COVID-19感染予測(日本版)の提供を開始しました。これは、今年8月にハーバード大学グローバルヘルス研究所(Harvard Global Health Institute)とのパートナーシップのもとで COVID-19 Public Forecastsを公開、このサービスでは予測開始日から将来14日間における米国内の COVID-19(新型コロナウイルス感染症)陽性者数や死亡者数などの予測を提供していました。COVID-19感染予測(日本版)では予測開始日から将来28日間のあいだに予測される国内の陽性者数や死亡者数等の予測値を表示します。
- ダッシュボード:COVID-19 感染予測 (日本版)(datastudio.google.com)
- COVID-19 感染予測 (日本版) の公開について(11/17 Google Cloud Blog)
米国で提供している COVID-19 Public Forecastsは AIと膨大な疫学的データを組み合わせ、さらに、時系列の予測を扱う斬新な機械学習のアプローチを採用することで実現しました。米国向けのこの初期モデルは今年8月に初公開され、現在も無償で予測情報を提供しています。この情報はジョンズ ホプキンス大学、Descartes Lab、米国国勢調査局などの一般公開データを基にしています。
日本版に拡大するにあたり、新たに95%予測区間やデータセットの追加に加え、予測対象期間を拡張した他、モデルの強化による予測精度の改善を行っています。感染の広がりに関する予測情報については、都道府県別に、対象期間である将来28日間のあいだに予測される死亡者数、陽性者数、入院・療養等患者数などを示します。また、全国の予測値は都道府県の予測値を足し合わせています。
日本版モデルでは、日本のデータセットのみを利用してトレーニングを行っており、使用したデータには厚生労働省が発表している新型コロナウイルス感染症陽性者数および死亡者数等のオープンデータ、Googleのコミュニティ・モビリティレポート、平成27年国勢調査結果などが含まれています。この様に陽性者数や入院・療養等患者数、死亡者数、また人々の移動状況について国内のデータを使用しているため、予測結果には国内の感染状況やそれに対する人々の反応、さらに生活環境といった日本独自の状況が反映されています。
COVID-19 感染予測(日本版)の情報はダッシュボードで見れる他に、BigQueryや CSVファイルとして利用できます。
Googleでは、このモデルについて、医療機関や公的機関をはじめとする COVID-19の影響を受ける組織が、今後に向けてより適切な対処を検討・準備する上で参考情報の一つとして利用されることを目的に公開しています。利用する際は、必ずユーザーガイド(pdf)を参照してほしいとしています。
日本版モデルの開発にあたっては、使用データの包括性、予測結果と国内感染状況との整合性、さらにモデルの設計及び予測データの検証において慶應義塾大学の医療政策・管理学教室 宮田裕章教授および研究室が監修しました。
- COVID-19 感染予測 (日本版) の公開について 宮田裕章教授のコメント