2019年8月14日のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、中国の通信大手ファーウェイ(Huawei)の技術者がアフリカのウガンダ共和国とザンビア共和国で、政府によるスパイ行為に加担していたことを明らかにしました。政府が反政府活動家や反対運動を抑圧するために使用する監視ツールを、どのように Huaweiが提供しているかを明らかにしています。(動画リポート)
- Huawei Technicians Helped African Governments Spy on Political Opponents(Aug. 15, 2019 WSJ)
ウガンダでは、ボビー・ワイン(Bobi Wine)の芸名で活躍し、ヨウェリ・ムセベニ大統領に対する反対運動の旗手としても知られているロバート・キャグラニー・センタム氏の WhatsAppのチャットグループに侵入した疑いが持たれています。センタム氏は WhatsAppを使用して支持者とともに街頭集会を計画していましたが、当局の妨害により開催に失敗し支持者とともに逮捕されました。
Huaweiの技術者がスパイ行為に使用したとされているのは、WhatsAppのぜいじゃく性を利用したとされる「Pegasus」というスパイウェアに類似したソフトです。
またザンビアでは、Huaweiの技術者がエドガー・ルング大統領を批判するブログ記事を書いた活動家の電話や Facebookアカウントに侵入し、ザンビア警察に住所などを伝えて活動家の逮捕を支援したとされています。
Huaweiの広報担当者は「ハッキング活動を行った事実は一切ない」とコメントし、WSJの報道を否定しましたが、ウガンダとザンビアの両政府は事実上 Huaweiによる支援を認めています。
ザンビアの与党の広報担当者は「我々はフェイクニュースを発信しようとしている野党支持者を突き止める際は、まずザンビア情報通信技術局(zicta.zm)に依頼します。ZICTAは、Huaweiの技術者と協力してフェイクニュースの拡散を防ぐのです」と語り、Huaweiとザンビア政府が協力関係にあることを明かしています。
- Huaweiの技術者がアフリカ政府によるスパイ活動に加担していたとの報道(Gigazine)