北海道むかわ町穂別地区で発見された、国内最大の恐竜全身骨格である通称「むかわ竜」は、新属新種の恐竜で「カムイサウルス・ジャポニクス(Kamuysaurus japonicus)」という学名になりました。学名の意味は、「日本の竜の神(日本の神トカゲ)」です。この化石標本は、全長約8メートルで、中型のハドロサウルス科恐竜の成体とされ、年代測定によって7200万年前(中生代後期白亜紀)のものであることが判明しました。
- 【古生物学】日本で発見されたハドロサウルスの新種が恐竜の多様性解明を進める(9/6 Nature Japan)
- A New Hadrosaurine (Dinosauria: Hadrosauridae) from the Marine Deposits of the Late Cretaceous Hakobuchi Formation, Yezo Group, Japan(9/5 Nature)
北海道大学総合博物館の小林快次教授は、学術的意義について「むかわ竜の発見により、恐竜が絶滅する直前の白亜紀末の世界が初めて日本の恐竜で描かれるようになりました。また、むかわ竜はおそらく海岸線に棲んでいました。これまで恐竜時代の海岸沿いの世界はあまり描かれてこなかったので、むかわ竜は、海岸沿いに棲んでいた恐竜がどのような生活をしていたか教えてくれる世界的にも重要な化石といえます。」と述べています。
- むかわ町 恐竜ワールド(mukawaryu.com)
- むかわ町恐竜ワールド戦略室(Facebook)
北海道胆振東部地震で、むかわ町は震度6強の大きな揺れに襲われましたが、「むかわ竜」の化石は奇跡的に無傷でした。クラウドファンディング(A-port)のプロジェクトでは、震災復興のシンボルである「むかわ竜」の新たな全身骨格レプリカを製作します。製作したレプリカは、全国の多くの方々にご覧いただける機会を増やすために様々な場面で活用していきたいとしています。
- 恐竜博2019(The Dinosaur Expo 2019)(国立科学博物館) 7月13日~10月14日
- 【動画】むかわ竜を新属新種の恐竜として「カムイサウルス・ジャポニクス(Kamuysaurus japonicus)」と命名(総合博物館 小林快次教授インタビュー)(9/6 北海道大学)