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イジューム大虐殺、首縄・後ろ手の拷問や処刑の痕(集団墓地)

9月16日、ウクライナ東部ハルキウ州では、奪還したイジューム郊外で集団墓地が見つかり、ウクライナ当局は、ロシア軍の占領下で死亡した447人の遺体を発見しています。うち、425人は子ども5人を含む一般市民で、残る22人がウクライナ兵でした。大半は暴力による死亡の痕跡が見られ、30体には拷問の痕がありました。さらに、集団墓地はロシアとの国境から約2キロ離れた場所にある、砲撃で破壊され打ち捨てられた養鶏場でも発見されています。9月26日には、ゼレンスキー大統領が「数百人の集団墓地」がさらに2つ発見されたと述べています。

Exhumation of the bodies, 16 September 2022 / Wikipedia

フリージャーナリストの村山祐介氏が9月16日のプレスツアーに参加し、YouTubeで動画配信しています。動画レポートで、「集団墓地の現場に入ると、松林の奥で約200人の作業員らが遺体を掘り出していた。近づくと、肉が腐った強烈な死臭と前日の雨で湿った土の臭いが混じった悪臭が一帯に立ち込めていた。作業員らは木片2枚を重ねた十字架に3桁の数字だけが書かれた盛り土の下を1.5メートルほど掘り起こし、衣類が土色に変色した遺体を6人がかりで地面に引き上げていく。性別もわからないほど腐食した遺体や、服の中で骨に近い状態になっているとみられる遺体も少なくない。」と述べています。

さらに、「ハルキウ州のオレグ・シネグボフ知事は現場で記者団に対し、首にロープが巻かれたり、後ろ手にされたりして拷問された痕跡のある遺体があることを明かし、「ウクライナ国民に対するジェノサイド(大虐殺)だ」と訴えた。だれが、いつ、どうやって、そしてなぜ、この集団墓地をつくったのか? 地元の人たちの証言によると、3月の激しい戦闘を経てロシア軍が町を占領した直後、戦闘の犠牲になった住民たちの遺体が腐敗するのを嫌ったロシア軍の指示で、地元住民が遺体回収に動員された構図が浮かび上がった。捜査当局は集団墓地ができた経緯なども詳しく調べる考えだ。」としています。

閲覧注意:遺体のモザイクなし版 / モザイクあり版は下記へ

【プロフィール】 朝日新聞記者時代、アメリカ大陸を舞台にした移民・難民を追った取材で2018年にATP賞テレビグランプリ・ドキュメンタリー部門奨励賞、2019 年にボーン・上田記念国際記者賞、2021年にノンフィクション「エクソダス アメリカ国境の狂気と祈り」(新潮社)で第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。2020年からフリージャーナリスト。

遺体のモザイクあり


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