トランプ米大統領が6月14日に実施する軍事パレードは、戦車や大砲、兵士、そして花火の打ち上げなどが予定され、盛大なイベント(費用4,500万ドル/約65億円)になるとみられています。反トランプ派はこれに合わせて、首都ワシントンを除く全米の2,000都市以上で「No Kings(王様なんかいらない)」抗議活動を予定、米ニューヨーク・タイムズ紙に全面広告が掲載されました。軍事パレードに対して共和党員も公然とムダ遣いとして批判、多くの共和党議員が欠席するとしています。
- Trump, Who Has Likened Himself to a King, Bristles at ‘No Kings’ Protests(6/12 The New York Times)
- Many Republicans Plan to Skip Trump’s Military Parade(6/11 WSJ)

米ニューヨーク・タイムズ紙の全面広告は、6月14日に全米で予定されている「No Kings(王様なんかいらない)」抗議活動への参加を呼び掛けています。「トランプ氏の行き過ぎた行為」に反対の意思を示すことを目的としています。
この全面広告には「1.我々は原則と名誉を尊重する。2.我々は約束を守り同盟国を支持する。3.我々は独裁者の侵略から国を守る。4.我々は憲法を支持し擁護する。5.我々は退役軍人と子供たちをケアする。6.我々は隣人と貿易相手国を尊重する。7.我々は健全な国内および国際経済、コミュニティ、環境を支援する。8.我々は法の支配と安定を維持し世界をリードする。」これら8つの宣言が列挙されています。
広告の下部には、さらにこう記されています。「我々はアメリカ合衆国の国民である。我が国の名誉、尊厳、そして誠実さは売り物ではない」 広告の最後の行には「我々の政府は人民の、人民による、人民のための政府である」と書かれています。クリスティ・ウォルトン(Christy Walton)の署名があります。
- In America, we don’t do kings(nokings.org)
2025年2月、トランプ氏は民主党が優勢な州で民主党と争う時に、自らを王になぞらえています。ニューヨーク市における渋滞税の廃止を目指した際、大統領はSNSで「渋滞税は死んだ。マンハッタン、そしてニューヨーク全体が救われる。王よ、永遠なれ!」と宣言しています。(下記画像)

陸軍創立250周年を記念し、数十年ぶりの大規模軍事パレードが、トランプ大統領の79歳の誕生日でもある「旗の日」に予定されています。このイベントには、パラディン、M1A2エイブラムス戦車、ストライカーを含む150台の車両と、チヌーク、ブラックホーク、アパッチを含む50機の航空機が参加する予定です。
議会両院の共和党指導部も出席を辞退しました。下院議長マイク・ジョンソン氏(共和党、ルイジアナ州選出)は出席できないと発表しています。ワシントンの政治史を専門とするポリティコが共和党議員50人を対象に調査したところ、出席予定だと答えたのはわずか7人だったそうです。