人類を含む哺乳類の祖先は、虫を食べるネズミサイズの4足歩行動物だったとする研究論文が、2月7日に米科学財団(National Science Foundation: NSF)から発表されました。
- Placental Mammal Diversity Blossomed After Age of Dinosaurs(Press Release / nsf.gov)
6年に及ぶ国際研究では、現代と先史時代のさまざまな種の遺伝的・身体的特性を含む大量のデータを分析し、哺乳類の進化の詳細な系譜を再現しています。
中でも、人類やウマ、クジラなどを含む「胎盤哺乳類」に焦点を当てています。
これまで広く受け入れられていた仮説では、地球上の恐竜を含む全生物種の70%が消え去った大量絶滅以前(約6500万年前)にも、多様な「胎盤哺乳類」が存在していたと考えられていました。
しかし今回の新説によると、恐竜が絶滅(約6500万年前)してから20万~40万年後に、小さな「胎盤哺乳類」がさまざまな種に枝分かれを始め、驚異的な多様性を持つに至ったそうです。
従来説は、遺伝データのみに基づいていたのに対し、今回の研究では遺伝的証拠と解剖学、化石に残された証拠を組み合わせ、より詳細な胎盤哺乳類の進化史を描くことに成功しています。
主執筆者である米ニューヨーク・ストーニーブルック大学のモーリーン・オリアリー(Maureen A O’Leary)氏とアメリカ自然史博物館は、特に重要な発見として、進化の分岐点を恐竜の絶滅後と特定できたことだと述べています。
哺乳類は「げっ歯類や霊長類は鳥類を除く恐竜たちと共存していたわけではなく、恐竜が絶滅してから間もなく、せわしなく動き回って虫を食べていた小さな動物から枝分かれした」と説明しています。こうした進化の末に、現在の地球上には5,100種以上の胎盤哺乳類が暮らしているのだということです。
- ヒトの祖先は虫を食べる小型4足歩行動物?サイエンス誌(AFPBB News)
- 米国科学財団(National Science Foundation)