2018年第71回カンヌ国際映画祭で是枝裕和監督の「万引き家族」が最高賞パルムドールを受賞しました。日本映画のパルムドール獲得は今村昌平監督の「うなぎ」以来21年ぶりです。是枝監督は渡仏前に「カンヌでワールドプレミア(その作品の世界最初の上映)をするというのは、成功した時と失敗した時の落差が一番激しい」だから、「カンヌでワールドプレミアをするのは危険だし、ある種、ギャンブル。何回参加しても、いつも悩むというか、自分の作品は大丈夫かなと思います。今回は小さな話なので、どういう届き方をするのか、ちょっと分からないですね」と語っていました。おめでとうございます。
高層マンションの谷間にポツンと取り残された今にも壊れそうな平屋に、治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀の4人が転がり込んで暮らしています。彼らの目当ては、この家の持ち主である初枝の年金です。足りない生活費は、万引きで稼いでいた。社会という海の底を這うような家族だが、なぜかいつも笑いが絶えず、互いに口は悪いが仲よく暮らしています。
冬のある日、近隣の団地の廊下で震えていた幼い女の子を、見かねた治が家に連れ帰ります。体中傷だらけの彼女の境遇を思いやり、信代は娘として育てることにします。だが、ある事件をきっかけに家族はバラバラに引き裂かれ、それぞれが抱える秘密と切なる願いが次々と明らかになっていく──。
審査員長を務めたケイト・ブランシェットさんは、「わたしたちは皆、どれだけ俳優たちの演技と監督のビジョンが”万引き家族”においてかみ合っているかということに、完全に圧倒されたんだと思います。並外れた映画です」と是枝監督たちの手腕を称賛しています。
- 映画「万引き家族」(公式サイト) 6月8日全国公開
- Manbiki kazoku (2018)(IMDb) Ratings: 7.5
- Cannes Film Festival(Website)