米通信大手のベライゾン・コミュニケーションズ(Verizon Communications)は、米インターネット・コンテンツサービス大手の AOL(エーオーエル)を買収することで合意に達したと発表しました。
買収は株式の公開買付で行われ、総額は約44億ドル(約5,280億円)。取引は今夏に完了の見込みです。完了後、AOLはVerizonの完全子会社になります。
ベライゾンは1983年にベル・アトランティックとして設立。1998年7月に非ベル系通信会社として最大級のGTEを528億ドルで買収、2000年に新会社としてベライゾン・コミュニケーションズになっています。Verizonという社名は、Veritas(ラテン語で真実)と、Horizon(地平線)とを合成したものです。
ベライゾンは、売上約12兆円(2013年度売上1,206億ドル)、約18万人の従業員。米国1億2千万人以上の加入者を持つ米最大の携帯事業者であるベライゾン・ワイヤレスを傘下に擁し、固定通信事業では、米国内消費者向けにFiOSを含むインターネット・音声・データ通信と、また世界150ヶ国において、フォーチュン1,000社の99%を占める企業顧客と政府機関向けにグローバルネットワーク・セキュリティ・クラウドサービスを提供しています。
Verizonは、この買収を「将来の成長を推進するためのデジタル・動画プラットフォームを構築するための重要なステップ」であり、「AOLはデジタルコンテンツと広告業界のリーダーであり、VerizonとAOLは6,000億ドル規模の世界の広告業界で、ダイレクトにターゲティングしたモバイルファーストのプラットフォームを構築する」としています。
ベライゾンは、インターネットで映画やテレビ番組を見る動きが広がっており、インターネットとメディア事業を強化して、携帯電話事業で競合他社との差別化を図る戦略です。
- Verizon to Acquire AOL(Corporate News / Verizon)
- アメリカ合衆国における携帯電話(Wikipedia)
- 新会社ハフィントン・ポスト メディアグループ(Nobuyuki Kokai)