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アイヌ語でタヌキ、新種の深海魚「モユククサウオ」日本初展示

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福島県いわき市の水族館「アクアマリンふくしま」は、新種の深海魚モユククサウオ(Elassodiscus nyctereutes)を日本で初めて生きた状態で公開しています。
モユククサウオは、2020年7月に新種として発表されたばかりのクサウオ科の一種です。クサウオ科の大きな特徴であるお腹の吸盤が無く、ヒゲのように伸びた胸ビレが特徴です。ウロコがなく体表がとてもデリケートで傷つきやすいため、生きて展示することは日本で初めてです。

新種の深海魚「モユククサウオ」日本初展示 / aquamarine Fukushima

日本で初展示されたモユククサウオは、2021年5月中旬に北海道知床沖の水深800-1000mで採集されました。モユククサウオの「モユク」はアイヌ語で「モ+ユㇰ=小さな獲物-タヌキ」を表す言葉です。また種小名のニクテレウテス(Nyctereutes)は、ラテン語で「夜の放浪者」の意味があると同時に、「タヌキ属」を表します。

標準和名:モユククサウオ (クサウオ科フウライクサウオ属)
学名  :Elassodiscus nyctereutes(エラソディスカス ニクテレウテス)
英名  :Raccoon snailfish

タヌキは、夜間エサを探しながらフラフラと足跡を残しますが、このモユククサウオも、クサウオ科の大きな特徴の吸盤が痕跡しかなく、岩にくっつかずに暗い深海でユラユラと遊泳しながら生活していると考えられるため、 「モユククサウオ」と命名されました(^^)

頭部から腹部にかけて赤色.尾部は暗色.水槽内をユラユラと遊泳します。430種以上いるクサウオ科の最大の特徴は腹吸盤があることですが、モユククサウオの属するフウライクサウオ属は、吸盤が痕跡しかないのが特徴です。

京都大学の准教授甲斐嘉晃博士、アクアマリンふくしま、NOAA(米国海洋大気局)の共同研究によって、これまで知られていた3種のフウライクサウオ属とモユククサウオは別種であること(脊椎骨数の相違やDNA配列の相違)が判明し、日本魚類学会の英文誌に新種として公表されました。

YouTubeは、モユククサウオの泳ぐ姿です。公開(07/25, 2020)

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