11月19日、ロシア国防省によると、ウクライナは米国製「陸軍戦術ミサイルシステム(ATACMS、エイタクムス)」で、西部ブリャンスク州を攻撃したと発表しました。ウクライナ軍は、ブリャンスク州で武器庫を攻撃したと認めているものの、ATACMSの使用には言及していません。ホワイトハウス関係者らは、バイデン氏の心変わりはロシアが北朝鮮兵を送り込んだことを受けたもので、北朝鮮に対してこれ以上派兵するなとのシグナルを送るものでもあると強調しています。ウクライナではここ数日、ロシアの攻撃で多数の死傷者が出ています。南部オデーサでは18日の攻撃で、警官7人を含む10人が死亡、47人が負傷しました。
- Russia-Ukraine War(The New York Times)
- ロシア政府、ウクライナが米製長距離ミサイルでロシア国内攻撃と
ウクライナによる攻撃に先立ち、19日にはロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、核兵器使用に関するドクトリン(核抑止力の国家政策指針)の改定を承認しました。大統領が9月に提案した新ドクトリンは、核を持たない国が、核保有国の支援を受けている状態で、通常兵器やドローンや航空機を用いてロシアに大規模攻撃を加えた場合、ロシアは核兵器の使用を検討する可能性があると警告しています。
19日はロシアによるウクライナ全面侵攻開始から1000日目にあたります。この日の朝、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は欧州議会に向けて、「ロシアにいっそう圧力をかけるよう」呼びかけています。
米シンクタンク「戦争研究所」は、米製長距離ミサイル(ATACMS)の射程圏内にあるロシア軍施設225カ所の地図を公表しています。米国のウクライナ特使を務めたカート・ヴォルカー氏は、バイデン氏の今回の決定によって、ウクライナが「現在はロシアの安全地帯にある飛行場、弾薬庫、燃料供給、後方支援を狙う」ことが可能になると述べています。また、バイデン氏の決定の影響で、ロシアは従来より慎重に行動するだろうと話しました。
ウクライナはしばらく前から、ATACMSや英国やフランスの長距離巡航ミサイル「ストームシャドウ」を保有しています(数量は明らかではない)。ただ、ロシア国内への攻撃に使うことは許可されていません。フランスと英国も今後は、米国と同様の許可をウクライナに出すと見込まれています。英仏両国はこれまでのところコメントしていません。
- バイデン氏による米製ミサイル使用許可、トランプ次期大統領の側近らが強く非難(11/19 BBC Japan)